ダイコン 「秋相撲」
加工・業務にも青果にも使える秋冬ダイコン
特性
1.草姿は中葉でやや立性。
2.萎黄病耐病性がある。
3.根形はきれいな円筒形で、そろいがよい。
4.首色が淡く、首内部が青肉になりにくい。
5.収穫作業時のひび割れが発生しにくい。
6.す入りが遅く、肉質は緻密でしっかりしており、生食はもちろん加工・業務用途にも適する。
適応性
高冷地および冷涼地(北海道基準)の8月初旬~中旬まき、10月上旬~下旬どり、温暖地(千葉基準)の9月上中旬~中下旬まき、11月上中旬~12月どり、暖地(鹿児島基準)の10月上旬まき、12~1月どりに適します。早まきすると根長が出すぎたり、地上部が旺盛になる場合があります。反対に遅まきになると短根や生育不良の原因となるので、作型図を参考に、栽培地ごとに適期をよく見極めるようにしてください。また、加工用などで青果サイズ(2L)より大きくする場合は、作型図よりも収穫期が遅くなる。
畑づくりと施肥設計
播種前に、土壌条件のよい時にできるだけ深く細かく耕すことが重要です。土壌水分が多い状態でのロータリー耕耘は、土を締めて根が変形しやすいので避けます。反対に、土壌が乾きすぎた状態では発芽不良を引き起こし、側根の発生を助長し、品質低下につながるので注意します。施肥については、緩効性肥料の使用をおすすめします。前作の残肥を考慮する必要がありますが、肥料は10a当たり成分量で窒素6~10kg、リン酸15kg、カリ10kgを目安とします。多窒素栽培による葉勝ちにならないように注意してください。加工用に出荷する場合は特に生育後半の肥料切れに注意し、必要に応じて追肥を行ってください。
播種
肥大が緩やかな品種であることから、密植栽培は避けます。地域や作型によって栽植密度は異なりますが、温暖地基準の青果用で条間50~55cm、株間23~25cm、加工用で条間50~60cm、株間24~26cmを標準とします。遅まきする場合は、生育遅延対策として株間を広げるとよいでしょう。
収穫
本品種は比較的内部品質の安定している在圃性のある中生種ですが、肥切れや極度の過熟条件では品質低下を招くことがあります。青果用(L~2Lサイズ、約1.0~1.4kg)、加工業務用ともに適期収穫を心掛けてください。