ダイコン 「冬自慢」
天候不順下でも作柄安定
特性
1.小葉で立性、密植のきく青首ダイコン。尻部の肉づきがよく、そろいが非常によい。
2.肌はなめらかでツヤがあり、す入りが遅く肉質が優れる。
3.やわらかくて食味がよく、煮えやすい。
4.火山灰土・砂壌土のほか、粘質壌土など、土質を選ばず栽培できる。
5.肥料に鈍感で作りやすい。
適応性
1.一般地・暖地では9月上旬〜下旬まき、年内どりに適します。霜が降りる前にべたがけ被覆する1月上旬どりも可能です。 2.高冷地および冷涼地(北海道)では抽だいの心配が少ない7月下旬〜8月中旬まきに適します。 3.尻部がある程度詰まった後、ゆっくり肉が付いていくので、収穫適期を過ぎても肥大しすぎることがなく長く収穫できます。火山灰土のほか、砂壌土や粘質壌土などの栽培にも適します。
肥培管理
土壌は野菜作りに大きな影響を与えます。特に、連作をしている圃場では土壌改良が必要です。堆肥の施用により土壌の団粒化を進めるか、十分腐熟させておかないと岐根の原因となります。微生物肥料の「バイテクバイオエース®︎」は無臭完熟堆肥で、土壌病害を予防するので、使用することをおすすめします。
苦土石灰や石灰窒素は10aあたり60kgを全面に施用し、耕起しておきます。土壌pHは6〜6.5が適正で、石灰の施しすぎによる土壌のアルカリ化に注意します。肥料は10aあたり成分量で窒素10kg、リン酸15kg、カリ10kgを標準として全面に施します。肥料切れには注意します。
播種
栽植密度は畝幅60cm×株間25cmを標準としますが、小葉で立性なので、やや密植栽培も可能です。
病害虫防除
9月上旬播種も発生するキスジノミハムシの幼虫は土壌中に生息し、肥大しつつあるダイコンの根の表面を食害するため、その傷あとが残り、商品価値が低下するので、粒剤などで予防します。コナガは薬剤抵抗性が発達しやすいので、薬剤のローテーション散布に心がけ予防します。アブラムシはウイルスによりモザイク病の原因となり、特に生育前半の被害はダメージが大きいので予防を心がけます。近年被害が多いダイコンシンクイムシは夏期に高温・乾燥が続くと大発生し、多大な被害を与えるので夏期の気象に十分注意して予防します。
ワッカ症は白さび病菌が根頭部、特に青首部を侵し発病します。べと病は空気伝染性のかびが原因です。これからの病害は殺菌剤散布で防除してください。
収穫
収穫適期を過ぎてもす入りの心配が少なく、良質のダイコンが収穫できますが、収穫期を極端に遅らせると葉の枯れや各種障害が出やすくなるので注意しましょう。