ダイコン 「冬の守」
適応幅のある高品質な年明けどりダイコン
特性
1.草姿は中葉・立性で収穫しやすい。葉色は緑色。
2.根形はよくまとまり、曲がりが少なく、そろいが極めてよい。
3.首色は鮮緑色で肌目は毛穴が浅くとても美しい。
4.横縞症やシミ症などの肌の病害に強い。
5.晩抽性があり、3月上中旬までは抽苔の心配は少ない。
6.2~3月に収穫される春ダイコンと比べて肥大は早い。
7.比較的温度に鈍感で根形の変化が少なく、適応幅がある。
適応性
暖地(三浦基準)の9月下旬~10月上旬まき、12月下旬~3月上中旬どり、暖地(徳島基準)の9月下旬~10月上中旬まき、1~3月上旬どり、一般地(千葉基準)の9月中旬~下旬まき、12~1月上旬どりに適します。作型図を参考に、栽培地ごとに適期をよく見極めるようにしてください。
畑づくり(圃場準備)
播種前に、土壌条件のよい時にできるだけ深く細かく耕し、肥料は播種直前ではなく前もって入れておくことが重要です。土壌水分が多い状態でのロータリー耕耘は、土を締めて根が変形しやすいので避けます。反対に、土壌が乾きすぎた状態では発芽不良を引き起こし、側根の発生を助長し、品質低下につながるので注意します。
施肥と管理
施肥は追肥体系を基本とし、生育前半は葉を旺盛にせずじっくり育てた方が高収量につながります。元肥は前作の残肥を考慮する必要がありますが、10aあたり成分量で窒素7〜10kg、リン酸15kg、カリ10kgを目安とし、緩効性肥料をおすすめします。栽植密度は条間40~60cm、株間18~23cmを標準とします。厳寒期の栽培となるため、追肥をする際は窒素、カリウムに加えマグネシウムやカルシウムといった微量要素の施用をおすすめします。特に生育後半の肥料切れは耐寒性の低下による生育遅延に加え、近年、産地で問題となっている黒斑細菌病などの病害の発生を助長するので注意します。生育初期からの予防を中心とする殺菌剤散布が大切です。冬の寒さが厳しい地域では、霜が降り始める頃に不織布によるべたがけやトンネル被覆を行うことで、抽根部の凍害や霜による葉の傷みを軽減し、歩留まり向上につながります。
収穫
1~2月中旬までは気温がそれほど高くならず、とり遅れの心配は少ないですが、春系品種と比べると肥大が早く2月中旬以降は肥大が進むので、Lサイズ中心の収穫を心がけ、とり遅れに注意します。