カボチャ 「くりほまれ」
安定した着果力と肥大性を兼ね備えた黒皮大玉品種
特性
1.草勢は強く、低温伸長性に優れる。
2.濃緑色の葉は上向きに杯状にそり、強健で風害に強い。
3.低温期でも花粉の発生が良好で受粉が容易に行える。
4.成熟日数は開花後50日前後の中早生品種。
5.果実は2.0~2.5kg前後の大玉。黒緑果皮の偏円形で、着果性・肥大性がよく極多収となる。
6.果肉は鮮黄色で厚く、肉質は中粉質で甘く食味がよい。
適応性
トンネル栽培から露地栽培、抑制栽培まで幅広い作型に適応します。春作では子づる2本仕立て、抑制作では1本仕立ての整枝栽培が適しています。
畑づくり(圃場準備)
栽植密度はうね幅3.5~4m、つる間隔35~40㎝を標準とします。施肥量は土質や前作の残効を考慮して決定しますが、元肥は肥切れを起こさないように緩効性と速効性の肥料を組み合わせ、標準として10aあたり成分で窒素10㎏、リン酸20㎏、カリ15㎏を施します。低温期に栽培する場合は定植する圃場の地温が15℃以上確保できるよう、早めにマルチ張りやトンネルの設置を完了します。
播種と育苗
カボチャの発芽適温は25~30℃です。播種時の地温不足や過湿・乾燥は発芽のムラを引き起こす原因になるので注意します。発芽したら日中の気温で20~25℃を目安に管理し、地温は本葉1枚になるまでに18℃前後まで徐々に下げていくようにしてがっちりとした苗を作ります。本葉2~3枚以降は最低気温10℃程度の低温にあてて、雌花数の増加に努めます。灌水はその日に必要な量だけを与えるよう午前中に行います。苗が小さいとき、天候が悪いときは控えめとし、生育が進むにつれて徐々に灌水量を増加させていきます。どの生育ステージでも夕方になってもしおれが発生せず、土の表面が軽く乾いている状態が理想的です。
定植および定植後の管理
定植は晴天日の午前中に行います。活着を促進させるため、深植えを避けて植え込みます。トンネル栽培では、定植後数日は活着を早めるために35℃を超えないように管理します。活着後は25℃前後を目安に換気を開始し、10℃を下回らないよう管理して花芽分化に努めます。
整枝方法
(2本仕立て)ポット育苗では定植前に本葉4~5枚目で摘芯します。定植後、子づるが30cmほどに伸長してきたら、生育のそろったつるを2本残して不要なものを除去します。着果予定節くらいまでの雌花と脇芽をかき、つるの伸長方向をそろえていきます。
着果と追肥
着果は14~16節に1番果を着果させるよう調節します。天候不良や低温でミツバチの活動が悪い場合は、雌花が開花した当日に咲いた雄花を採集し交配に使用します。交配は午前10時ごろまでに完了するよう行います。また、収穫目安のために開花日を記録しておきます。追肥は1番果の着果確認後に窒素成分で10aあたり2kg程度を施用しますが、気象条件や樹の状態を確認しながら施用時期や量を調節します。幼果の果皮は淡い緑色ですが成熟が進むにしたがって濃くなっていきます。
収穫
若どりをさけ、開花後約50日を目安に果梗部がコルク化した完熟果実を収穫します。収穫は天気のよい日の午前中に行い、日焼けを防ぐために直射日光を避け、風通しのよい場所で風乾します。