ホウレンソウ 「ゴードン」
秋冬まき用。暖冬・厳冬でも適度な伸長性の多収型ホウレンソウ
特性
1. べと病R-1~9、11~16、18、19に抵抗性がある。
2. 濃緑色、平滑な剣葉で、葉先がややとがり、浅く欠刻が入る。
3. 立性で葉の絡みが少なく、葉軸がしなやかで下葉が取れやすいため、収穫作業性が優れる。
4. 葉枚数が多いため、収量性が高い。
5. 比較的低温伸長性があるため、温暖地・暖地の露地での9月中旬〜10月上旬まき、ハウス・トンネルでの10月まき、高冷地・冷涼地の9月中〜下旬まきに適する。
適応性
土壌適応性は広く火山灰土から水田裏作まで幅広い土質で栽培できます。 耐寒性があり比較的低温伸長性があるため、秋冬作で幅広い間播種できます。低温期の出荷に適しますが、温暖地の露地で1~2月出荷する場合は被覆資材を用いたトンネル栽培で生育を促進させるほうが安定出荷できるでしょう。また、年明けまきの場合は少し株間を広げた方がゆとりを持って収穫できます。
畑づくり(圃場準備)
完熟堆肥の施用と深耕は、ホウレンソウ作りの基本です。連作障害を回避し、排水性、保水性を高め良品多収を目指すためにも、普段から土作りを心がけます。
播種
条間15~20cm、株間3~5cmのスジまきとします。水田裏作や排水不良の畑では、明渠をつくるなど排水対策をしっかり行い高畝にしてください。
管理
通常の秋まき品種と同様に管理します。特に生育に水分を必要とする品種ではないため、ハウスでは乾き過ぎないよう灌水する程度で十分です。
病害虫防除
露地ではシロオビノメイガ、ハスモンヨトウなどが問題になります。いずれも被害が拡大する前に早期防除を徹底します。
秋冬から春にかけてはハウスではホウレンソウケナガコダニが出やすい季節です。被害に気付いてからの対策では被害の拡大を抑えることが難しいため、薬剤の予防的散布を徹底してください。
秋、春はべと病が発生しやすい季節です。病気が発生する前から適切な薬剤を使用し、蒸しこまないような管理を心がけます。
収穫
比較的在圃性はよいですが、年が明けて温度上昇期に収穫する場合は生育が早くなることがあるので、とり遅れのないよう適期収穫を心がけます。外葉を落としやすいため、収穫後の調整作業が容易にできます。
べと病に関する注意
※近年べと病のレース分化が著しく早まっています。いつ更なる新レースが発生してもおかしくない状況なので、抵抗性の品種を使用している場合でも決して安心せず、予防的な薬剤散布や適切な乾季など耕種的防除を心がけてください。