キャベツ 「青琳」
品目 | キャベツ |
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原産地 | ヨーロッパ |
科・属名 | アブラナ科アブラナ属 |
受賞歴 | ●第58回全日本野菜審査会一等特別賞受賞 |
そろいがよく、在圃性抜群の中早生キャベツ
特性
● 萎黄病抵抗性でバーティシリウム萎凋病に強い中早生品(定植後約70日)。
● 外葉がコンパクトで、生育のそろいが抜群によく、管理しやすい。
● スムーズな形のよい偏円球で、秀品率が高く、収量性が高い。
● 在圃性が優れるため、出荷調整がしやすい。
適応性
冷涼地の夏秋どり、特に8~10月どりに最適です。温暖地・暖地の春まき初夏どりおよび夏まき年内どりにも適します。また、幅広い土壌適応性があり、肥沃な黒ボク土でも外葉はコンパクトでよくそろい、水田裏作などの重い土でもしっかりと肥大します。
肥培管理
もともと外葉が小さめの品種ですが、施肥量は一般的な品種に準じます。土質や気候によって異なりますが、10a当たり成分量(元肥+追肥)で窒素20~30Kg、リン酸10~25Kg、カリ20~30Kgが目安です。多肥栽培をすると、腐敗の原因となる場合もあります。適切な施肥量を守れば、「青琳」の特性である在圃性のよさを引き出すことができます。
播種
地域に適した播種期を厳守します。春に無理な早まきをすると腰高球となることがあります。また、夏まき年内どりで播種が遅れると、低温のため結球が緩くなる場合があるので注意が必要です。
育苗・育苗管理
一般地~暖地・夏まきでは播種が高温期のため、なるべく涼しい時間帯(朝か夕方)に播種・灌水を行い、子葉が展開するまでの期間は、日中にネットや新聞紙で遮光して温度が上がり過ぎないようにすると、発芽のそろいがよくなります。
本葉が展開してからは水をやり過ぎないようにして、苗床の風通しをよくし、しっかりとした苗を育てるようにします。徒長苗は立ち枯れの原因となります。
定植および定植後の管理
条間60cm×株間30cm(約5,500本/10a)程度を標準とします。外葉がコンパクトなので、作型・地域によっても異なりますが条間50cm×株間30cm程度(約6,600本/10a)の密植も可能です。老化苗での定植は活着遅れの原因となるので、苗がトレーから抜けるようになったら、根の先端が白いうちに(茶色くなる前に)定植し、定植後3~4日は畑が極端に乾かないようにします。
病害虫防除
高温期栽培では、リゾクトニア菌由来の株腐病(尻腐れ症状)の対策を心がけます。リゾクトニアの菌密度が高まり、発病の危険性があるので、未熟堆肥の施用は避けます。また、圃場の排水をよくすることで、発病を軽減できます。予防として薬剤を散布する場合、結球期の直前から2、3回行うと効果的です。
夏秋どりから年内どりにかけては、黒腐病の対策を心がけます。特に台風や大雨、大風の直後には茎葉にできた傷口から病原菌が進入し、畑全面に発病することがあります。まん延後の薬剤散布は効果が低いため、予防に努めることが重要です。
収穫
裂球が遅く、在圃期間が長いので、出荷調整がしやすい品種です。球形状はスムーズで形のよい偏円で、玉ぞろいが抜群です。秀品率が高く、一斉収穫にも適しているので、効率のよい作業体系を組むことが可能です。また、結球はきれいで球内部が隙間なく詰まるので、重量感があり加工用にも適します。