キャベツ 「かおるだま」
形状安定性、在圃性が優れる春から初夏どり中早生キャベツ
特性
● 萎黄病抵抗性で、3季まきが可能であるが、特に一般地、暖地の秋まき春どりおよび春まき初夏どりに適する。
● 春どりおよび初夏どりで特に問題となるとがりが少なく、甲高の偏円球で形状が安定する。
● 草勢はやや強く、肥大性が優れ、水田裏作などの重い土壌でも安心して栽培できる。
● 裂球や腐れが少なく在圃性が優れ、秋まきできる品種としては非常に収量が上がる。
適応性
春に抽だいしにくくしっかりと結球し、とがりや形状の乱れが少ないので秋まきに適します。また、年内に定植すると特に能力を発揮します。越冬時の低温・乾燥に耐えるように、スムーズに活着させてがっちりした株をつくるのがコツです。抽だいを起こす場合があるので、トンネル被覆などで厳寒期の生育を早めることは避けます。 草勢がやや強く旺盛に成育し、土質を選ばず安定した肥大性を発揮します。水田裏作などの重い土壌でも安心です。
肥培管理
土質や気候によって異なりますが、10aあたり成分量(元肥+追肥)で窒素20~30kg、リン酸10 ~25kg、カリ20~30kgが目安です。秋まき春どり栽培では、追肥は2回に分け、1回目は活着後の生育を促すため年内に施し、2回目は厳寒期が終わり結球し始める直前に施します。
播種
地域に適した播種期を守ってください。不抽だい性の安定した品種ですが、播種が早すぎると芯伸びを起こし、軟結球となる場合があります。4月どりを目指す春キャベツや中早生キャベツと同時期に播種することをおすすめします。これらの収穫を終えたあとに「かおるだま」を収穫でき、収穫作業の分散化や出荷数量の安定が見込めます。
定植および定植後の管理
秋まき春どり栽培では、苗を本圃にしっかりと活着させた状態で越冬することがポイントです。そのために、植え遅れや苗の老化を避け、なるべく11月中に定植を終えるようにします。また、必要に応じて灌水・中耕を行い、スムーズな活着を促します
病害虫防除
秋まき春どり栽培では、温度上昇に伴い菌核病が発生する場合があるので、薬剤散布による予防を徹底します。また、株の老化に伴い黒腐病が発生することがあるので、結球期に薬剤散布による防除を行うとよいでしょう。
収穫
結球初期からよくしまるので、青果用のLサイズでしっかりと重さの乗った球を収穫できます。また、畑に置いて2L以上の大玉サイズを収穫することも可能です。しかし、畑に置きすぎると球表面が裂皮して品質が低下しますので、その前に収穫を終えるようにします。