ハクサイ 「ちよぶき70」
耐病性、耐雨性に優れる強健な品種
特性
● 春まきで定植後65〜70日、秋まきで播種後70〜75日で収穫できる中早生品種。
● 外葉はコンパクトで立性。葉色は濃緑で肉厚、強健で頭部は深く抱合する。
● 球形は胴張りする砲弾形で球長30cm前後、球重2.8〜3.0kg前後になる。
● 球内色は全体に黄色が回り、カットしたときの見栄えがよい。甘みがのりやすく、食味、品質がよい。
● 晩抽性が安定しており、晩春まき〜秋まきまで幅広く利用できる。
● ゴマ症や石灰欠乏症によるチップバーン、アンコなどの生理障害に強く、栽培しやすい。
● 根こぶ病には従来よりも幅広いレースに耐病性がある。軟腐病など他の病害にも非常に強い。
適応性
本品種は高冷地の3月下旬まき栽培から夏まき秋どり栽培、一般地の2月まきトンネル栽培および8月中旬~9月上旬まき11月どり栽培で利用できます。根こぶ病には幅広い耐病性を示し、軟腐病にも強く、高温多湿下で力を発揮します。
肥培管理
定植前に元肥を施用します。10a当たり窒素成分で15~18㎏を標準とします。有機肥料、微量要素材を併せて施用してください。追肥は10a当たり窒素成分で2~3㎏で2~3回に分けて施します。1回目は定植10日ほど後で株元に施します。2回目は定植20~30日(結球始め)で畝間に施し、除草も兼ねて中耕します。
播種と育苗と定植
春まき栽培では、育苗温度13℃以上を目安とし、約1カ月保温育苗をします。徒長した苗を作らないよう本葉4~5枚時までは灌水を控えめにします。8~9月まきの栽培では、本葉3枚程度で定植するように心がけます。苗の管理は徒長防止のため高床にします。灌水は天候を見ながらになりますが、過剰な灌水、午後2時以降の灌水も徒長の原因となるので避けます。老化苗を使うと定植後の活着、生育が悪くなり石灰欠乏症の原因ともなるので注意してください。定植後の極度な低温や乾燥も脇芽発生の原因となるので注意が必要です。
生理障害対策
石灰欠乏症などの生理障害は、圃場に十分な石灰、ホウ素があっても発生します。原因としては、老化苗の定植、過剰な施肥、過湿、結球期の極度な乾燥、気温の変化などで根の働きがこじれ、必要成分を十分吸収できない際に発生します。これにはハクサイの根張りをよく作ることが大切です。圃場へ「バイテクバイオエース」などの有機質肥料や、完熟堆肥を投入し健全な土づくりを心がけることによって、生理障害の発生を軽減させます。また、有機質に富んだ圃場のハクサイは風味がよく、品質の向上にもつながります。
収穫
頭部を押さえて硬くなり中身がある程度締まっていたら収穫です。収穫遅れは、石灰欠乏症や球内の退色によって品質が低下するので適期収穫を心がけます。