ネギ 「夏扇タフナー」
夏越ししやすく、耐倒伏性、耐寒性に優れる秋冬どり用一本ネギ
特性
1.夏越ししやすい、中生の秋冬どり用一本ネギ。
2.根量がやや多く、根が強いために高温期の欠株が少ない。
3.生育中期までの太りは比較的ゆっくり進み、伸び過ぎや太り過ぎる心配が少ない。10月以降気温が低下してからの肥大性および伸長性がよい。「夏扇3号」程度の肥大性がある。
4.草勢は中程度で、やや多肥条件でも暴れにくい。立性、小葉で風に強く、管理しやすい。強風でも倒伏しにくく、曲がりの発生が少ない。
5.霜による葉折れが少なく、厳寒期も比較的枯れ込みにくい。
6.皮むきがしやすいため、出荷効率がよい。
7.3月以降は抽苔の恐れがあるので、2月どりまでとする。
適応性
秋冬どりの作型で使用でき、特に12~1月どりで能力を発揮します。稚苗育苗の場合、2月播種11月下旬~12月どり、3月播種12~2月どりが特に適します。温暖地では、4月播種12~2月どりも可能です。3月以降は抽だいの恐れがあるので、2月どりまでとしてください。 肥大性が不足するため、夏どり(8~10月どり)にはおすすめできません。夏どりには早生品種の「夏扇4号」、「夏扇パワー」をご使用ください。
播種
秋冬どりの作型の中で、比較的早い時期の播種がおすすめです。株間は2~2.5cmが基準です。排水性のよい圃場を選定し、額縁排水などの排水対策を行います。
定植および定植後の管理
定植後、活着するまでは灌水を行います。肥培管理は慣行の秋冬どり栽培に準じますが、9月以降の追肥はタイミングが遅れないように行うことが大切です。特性上、9月初旬では肥大が十分でない場合もありますが、追肥はしっかり行い、土寄せ量は少なくして肥大を促すようにしてください。9月の追肥により10月以降は生育が進みやすく、12月まで肥大が続きます。10月以降は収穫目標に合わせた追肥と土寄せを進めてください。追肥における施肥量は、慣行と同等か2割程度多くするとよいでしょう。
病害虫防除
土壌病害では白絹病と軟腐病に注意します。これらの病害は特に6月以降の高温期に発生が顕著となるので、定植後~9月までの防除を確実に行うことが大切です。葉の病害ではさび病、べと病に注意が必要です。秋以降に発生しやすいので、発病前から予防的防除を心がけます。
収穫
耐寒性と在圃性は比較的ありますが、品質を確保するために適期収穫を心がけてください。3月以降は抽苔の恐れがあるため、2月までに収穫を終えるようにします。暖冬の場合は特に抽だいが早くなりやすいので、収穫が遅れないように注意してください。