ネギ 「冬扇シオン」
風に強く、夏越ししやすい冬どり用一本ネギ
特性
1. 低温時の肥大、伸長性に優れる中生品種。
2. 草姿は立性で締まりがよく、そろい・秀品性が高い。
3. 高温期の欠株が少なく、夏越ししやすい。
4. 生育中期までの太りは比較的ゆっくり進み、10月以降気温が低下してからの肥大性および伸長性がよい。
5. 強風による倒伏の被害が少なく、曲がりが少ない。
6. やや晩抽性があり、3月末まで抽苔なく収穫が可能
適応性
関東以西の一般地で、4~5月まき、12~翌年3月どりに適します。中生品種で、低温時に肥大性が発揮されます。そのため、12月以降に適度な太さとなり、1月には十分な太さに達し、3月まで収穫が可能です。晩抽性は「春扇」より1週間程度早く、関東では4月10~15日ごろです。冬の寒波で枯れ込みが強くなった場合でも、3月以降の葉の展開を待ち、出荷ができます。ただし、4月以降に収穫する春どり栽培は「春扇」「初夏扇」が適します。
圃場準備・土づくり
土質を選ばず栽培できますが、極端に湿害が出やすい圃場は避けます。通気性、排水性のよい土づくりを心がけ、夏越ししやすくするために、元肥は控えめにしてください。
播種・育苗管理
トレー育苗では、40~50本/mとなるように播種を行います。発芽をそろえ適度に換気して、がっちりとした苗を育てます。
定植・栽培管理
定植は丁寧に行い、必要に応じて定植後の灌水を行います。本品種に限らず、7~8月の高温期は、土壌病害が多く発生します。そのため、高温期の追肥・土寄せは控え、防除に努めます。9月までは太りがやや遅く細葉のため、台風など風の被害を受けにくく、耐倒伏性を発揮します。
夏越し後の追肥は、9月10日を過ぎてから夜温の低下を見て行います。9月の追肥は、慣行品種より20~30%増しで、肥大を促します。肥大が遅れると首の締まりが緩くなったり、葉枚数が不足したりする要因になります。9月以降はしっかり肥料を効かせるのがポイントです。
土寄せは葉鞘部の太り具合を見ながら小まめに行ってください。葉枚数がやや少ない品種のため、止め土を強くすると襟が伸び上がり、3枚目の外葉の切れが発生することがあります。秋以降の土寄せは強くせず、本葉4~5枚が出ている状態で土寄せしていくと、太りと葉枚数を確保しやすいです。
病害虫防除
高温期の白絹病、軟腐病に注意し、適宜防除を行うことが大切です。秋以降は、さび病に注意が必要です。
収穫
止め土をして、軟白に必要な日数を置いて試し掘りを行うなど、適期の収穫を心がけます。