カブ 「恵星紅」
病気に強く良質多収。大野紅系交配品種
特性
1. 大野紅カブ系の交配種で、べと病、黒斑病などに強く、生育が早くて栽培しやすいです。
2. 草姿は立性で葉伸びよく草丈50~60㎝です。外葉はやや細形で葉数13~15枚、低温に当たるほど強く着色します。葉軸は早くから鮮紅色になります。株元からのわき芽は出ません。
3. 根部は平形で形状よく、肥大が早くて尻部のまとまりがよく、玉ぞろいがよいです。横径12㎝程度に肥大し、尻部まで鮮紅色で着色がよいです。内部もかなり条斑に着色します。肉質はち密でやわらかいです。
4. 大野紅に比較して早生で、早どりから、多少の遅まきにも成績がよいです。
適応性
適湿のある排水のよい肥沃な沖積土地帯に最も適しますが、有機質を施用して保水、排水のよい土作りを行えば、どこでも栽培できます。 北海道、東北、高冷地など冷涼な温度較差の高いところのほうが、着色や品質がよいです。
肥培管理
10a当たり窒素12㎏、カリ15㎏、苦土石灰100㎏を標準として、畑の肥沃度により調整します。遅まきではやや多めに施します。
微量要素欠乏症の出るところでは、FTEなどを10a当たり3~4㎏施します。
苦土石灰や熔リンは早めに施して耕うんしておき、肥料は元肥主体で、播種の1週間前位に全面散布し、ロータリーで耕耘して土によくなじませておきます。
完熟していない堆肥の施し、とくに、播種直前の施用は、カブの根肌をわるくするので、前作に十分施しておくか、完熟したものを早めに施します。
播種
播種量は10a当たり7~8dlです。畝幅70㎝、条間20㎝に2条まきし、株間20~23㎝の千鳥に間引くか、1穴6~7粒の点まきとします。
播種は適湿のあるうちに行い、覆土後よく鎮圧しておくと発芽がそろいます。
間引き:子葉が完全に展開したら込んでいるところを間引き、本葉3枚程度で1本立ちとします。初期生育のよしあしによって、その後の生育や収量に大きく影響しますから、間引きはあまり遅れないように行います。
収穫
播種後50日くらいから中カブとして収穫でき、60~70日で根径12㎝程度となります。
出荷は枯葉と直根をとり、市場の規格にあわせて結束し、動力噴霧機などできれいに水洗いし、よく水切りをして市場出荷します。