カブ 「玉波」
す入りが極めて少なく、良質多収。小から中カブどり
特性
・耐病性の優れた中カブで、栽培しやすく、良質多収。根径12〜13cmまで肥大する。9月末〜10月まきでは小カブとしても利用できる。
・葉は立性で伸びがよくやわらかいため、葉つきカブとしても利用価値が高い。
・根部は腰高で、形状、肌、肉質いずれも優れ、す入りが極めて遅く、変形や裂根も極めて少ない。
適応性
秋まきは最も栽培しやすく収量も多いです。 盛夏期や春のトンネル栽培では、葉が伸びやすいので、株間はやや広めとします。 関東でも9月末~10月上旬まきは、直根がやや太いが、小カブとして栽培できます。 温暖地には、小~中カブどり地帯に向きます。 栽培最適地は適湿があり、排水のよい肥沃な沖積土地帯ですが、堆肥など有機質肥料を施して、よい土作りを行えば、ほとんどどこでも良品を生産できます。
肥培管理
10a当たり窒素15kg、リン酸13kg、カリ15kg、苦土石灰100kgを標準として、畑の肥沃度により加減します。また高温期の栽培では施用量を減らし、低温期には増やします。
微量要素欠乏症のでるところでは、元肥施用時に薬剤を施します。
苦土石灰は早めに施用して耕うんしておきます。肥料は元肥主体として、播種の1週間ほど前に全面散布し、ロータリーで耕うんして土とよくなじませておきます。
堆肥はできるだけ前作に十分施しておくか、完熟堆肥を早めに施用します。
小カブの間引き収穫を行い、残りを中カブで収穫するような場合には、小カブ収穫の数日前ごろにかるく追肥を行います。過度の追肥は裂根を起こしやすくなります。
播種
播種量は10a当たり7~8dlです。畝幅130~150cmの多条まきや、畝幅60~70cmで、条間10~15cmの2条まきが普通です。
夏まきや冬まきは乾燥期ですので、降雨後か、十分な灌水を行って播種します。十分な湿りのない場合には、とくに鎮圧をしっかり行って発芽をそろえます。
間引き
本葉2~3枚になったら株間10cm程度に間引きます。次の間引きは、小カブとして間引き収穫を行うか、中カブどりにするかによって時期が異なります。
病害虫防除
カブは純白な玉肌が生命であり、キスジノミハムシの幼虫などに食害されて、商品価値を落とすことが多いから、とくに低温期以外は必ず土壌処理剤の施用を忘れてはいけません。
アブラムシ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどの害虫やべと病や白斑病などの病気に関しては適切な薬剤を適量散布して予防に努めます。
収穫
夏まきは播種後35日くらい、9月まきは45~50日くらいから小カブとして収穫でき、以後逐次中カブとして収穫します。