レタス 「ターンオーバー」
根腐病レース1、2および黒根病に複合耐病性を持ち、形状安定性の高い晩抽性品種
特性
● 形状安定性の高いサリナス系の晩抽性品種。
● 根腐病レース1、2および黒根病に複合耐病性品種。
● 球色が濃緑でテリがあり、偏円球。
● 切り口が小さく、変形球も少ない。葉は肉厚でかぶりが深く、偏円形で箱詰めが容易である。
● べと病にも耐病性がある。※べと病のレースによっては発病する場合があります。
適応性
● 高冷地:5月中旬~7月中下旬まき→7月中旬~9月中下旬どり 冷涼地:5月中旬~6月上旬まき→7月上旬~8月中旬どり 7月中旬~8月上旬まき→9月上中旬~10月中旬どり 温暖地:2月まき→5月どり 8月中旬~9月上旬まき→10月中旬~11月中旬どり 暖地:2月まき→5月どり 8月中下旬~9月上旬まき→10月中旬~11月下旬どり 極端な早まきや遅まきは、玉のとがりや肥大不足、抽苔を招く恐れがあります。品種本来の特性をよりよく発揮させるためにも、作型図を確認し、播種期に注意してください。
圃場準備・土づくり
近年、盛夏期の異常高温、局所的な集中豪雨の被害など気候変動の影響を受け、レタス作りが非常に難しくなってきており、このような時だからこそ土づくりの重要性が増しています。改めて基本に立ち返り、連作の回避、堆肥の投入や状況に応じた土壌消毒など、土をしっかり作れているかが、環境変化への対応力向上につながります。
播種・育苗管理
高温期の育苗は、発芽不良や生育のふぞろいのリスクが高くなります。播種してから発芽するまでは、涼しい場所か資材などを利用して育苗場所が高温にならないように注意してください。
また風通しが悪い場所では、苗が徒長しやすくなるので、徒長を防ぐために循環機扇や扇風機などを利用して空気の循環を試みるとよいでしょう。発芽がそろえば露天育苗がおすすめです。
定植・栽培管理
定植時の高温干ばつは、活着不良を招くことがあります。近年、マルチングの前に乾燥し過ぎていたために定植後の活着が遅れたり、定植後の灌水が不足したために生育がふぞろいになったりする事象が増えています。
定植前にしっかり灌水(かんすい)してからマルチングをするなど、定植床に十分な水分を持たせた状態で定植をして、さらに、定植の時間帯や定植後の灌水にも気を付けてください。特に高温期の定植時の灌水は活着を促進し、その後の結球までの生育まで関わってくるので積極的に行います。
病害虫防除
斑点細菌病、軟腐病、腐敗病、べと病は、従来品種と同様に早期から予防に努め、病害の侵入を防ぎましょう。
収穫
じっくり生育するタイプですが、適期を見極めて収穫してください。
栽培上の注意点
生育期間中に極端な干ばつや過湿条件にならないように適宜、灌水や畝上げによる排水対策を行います。
定植前の準備としては、完熟堆肥などを利用した土づくりで土の緩衝能力を高めておくことが、生理障害の防止や秀品率の向上につながります。さらに、活着から結球期までにしっかりと根を張らせ、いかに外葉の生育をスムーズにするかが秀品率を高めるポイントになります。特に、結球初期で水が不足すると不結球になってしまう可能性があるので、この時期に乾燥状態にさせないようにします。
また、根腐病に耐病性がありますが、菌密度の高い圃場などでは発病する可能性があるので、土壌消毒や薬剤処理、その後の土づくりを含め、総合的な対策を取ることが必要となります。