ナス 「黒福」
秀品率が高く安定多収の中長ナス
特性
1. 草勢強く、早生性、耐暑性があります。
2. 草姿は半開張性で、節間はやや長いですが、枝折れや倒伏の心配は少ないです。
3. 果形は首太の長卵形で、収穫期全般を通じて乱れ少なくよくそろい、秀品率高く多収です。
4. 果色は光沢の強い濃黒紫色で、果皮はやわらかく食味もよいです。
適応性
トンネル早熟栽培から露地栽培、露地抑制栽培に適します。
肥培管理
耕土は深く耕し、有機質肥料と暖効性肥料を混用し、長期間根に十分な酸素を供給できる土に仕上げておきます。全施肥料は土壌、栽培期間によって異なりますが、長期栽培では10a当たり成分量で窒素50~60kg、リン酸45kg、カリ40~60kgくらいを標準とします。
播種
播種用土には排水性、保水性、通気性にすぐれ適度な肥料成分を配合された無病土のスーパーセルトップVなどが適します。播種は、セルトレーの場合、主に200穴または288穴のものを使用します。播種後は十分に灌水し、播種床が乾燥しないように注意します。播種床の地温は発芽まで昼間30℃、夜間22℃の変温で管理すると発芽がよくそろいます。
育苗・育苗管理
播種後5~6日で発芽するので、その後は徒長しないように温度を徐々に下げ、灌水量もコントロールします。本葉2枚前後でポットに鉢上げします。深植えや移植直後の多灌水は、病気の発生原因となるので注意します。鉢上げ直後は地温23℃で管理し、徐々に管理温度を下げ、苗広げをし、光線不足や、高温多湿を避け、よくしまった苗に仕上げます。
定植および定植後の管理
畝幅1.8~2.0mのベッドをつくり、定植の7日前ぐらいにマルチを張って地温を上げ、温暖無風の日に株間60~80cmの間隔で植えます。
病害虫防除
土壌伝染性の青枯病、半枯病、半身萎凋病は、耐病性台木に接木して回避します。また病害虫が発生する前から、圃場の排水の改善や通風の確保などで耕種的防除を行います。なお、農薬は必要に応じて登録のあるものを使用基準に従って使用します。
収穫
果は13cm前後(80~100g)をめどに適期に収穫します。収穫は商品価値を落とさないように、なるべく早朝の日の出ないうちに行います。