ナス 「飛天長」
光沢、品質抜群の露地栽培用長ナス
特性
1.草勢が強く、耐暑性があるので、夏越しして晩秋まで成り疲れせず、安定して収量を上げられます。収穫初期より長期間多収の早生品種です。
2.草姿は半開立性、大葉で茎太く節間は伸びますが、枝折れや倒伏しにくいです。
3.果形はヘタのしっかりした胴太、細長(果長25cm前後)で果色は濃黒紫色、光沢がありで高品質で、全期間を通じて秀品率が高いです。
適応性
温暖地の露地栽培で夏越しして晩秋まで収穫する長期栽培に適します。促成・半促成栽培には向きません。
肥培管理
元肥は有機質と暖効性肥料を主体に施します。早めに堆肥2,000kg、苦土石灰120kgを前面散布して耕起し、暖効性肥料は畝立てのときに施します。一般的な施肥量は、10a当たり窒素45kg、リン酸55kg、カリ40kgとします。栽培が長期にわたるので、草勢が衰えないよう追肥は数回以上分けて施します。
播種
播種用土には排水性、保水性、通気性にすぐれ適度な肥料成分を配合された無病土のスーパーセルトップVなどが適します。播種は、セルトレーの場合、主に200穴または288穴のものを使用します。播種後は十分に灌水し、播種床が乾燥しないように注意します。播種床の地温は発芽まで昼間30℃、夜間22℃の変温で管理すると発芽がよくそろいます。
育苗・育苗管理
播種後5~6日で発芽するので、その後は徒長しないように温度を徐々に下げ、灌水量もコントロールします。本葉2枚前後でポットに鉢上げします。深植えや移植直後の多灌水は、病気の発生原因になるので注意します。鉢上げ直後は地温23℃で管理し、徐々に管理温度を下げ、苗広げをし、光線不足や、高温多湿を避け、よくしまった苗に仕上げます。
定植および定植後の管理
本葉9~10枚、第1番花開花前の苗を定植の目安とします。ナスの根は直根性で旺盛な根が深く伸びるので、地下水位の高いところや排水不良な圃場では高畝栽培とします。
病害虫防除
土壌伝染性の青枯病、半枯病、半身萎凋病は、耐病性台木に接木して回避します。また病害虫が発生する前から、圃場の排水の改善や通風の確保などで耕種的防除を行います。なお、農薬は必要に応じて登録のあるものを使用基準に従って使用します。
収穫
品質を保持するために早朝に作業し、果長25cm、果重170gを目安に収穫します。