コマツナ 「はっけい」
耐暑性、耐病性が優れボリュームのある高品質コマツナ
特性
● 中生品種で、耐暑性、耐寒性、耐乾燥性が優れ、周年栽培が可能。
● 草姿は極立性で、葉色は濃緑でテリも強い。葉柄が太く株張りがしっかりとしている。
● 高温期栽培でも葉が伸び過ぎず、カッピング症状が出にくい。
● 萎黄病、白さび病に耐病性がある。
適応性
一般平坦地の露地栽培で4月上旬〜10月上旬、冷涼地では4月下旬〜9月上旬が播種の適期です。春、秋作で問題となる白さび病に強い品種です。ハウスやトンネルを利用することで周年栽培が可能です。耐暑性を生かした高温期の栽培で能力を発揮します。
畑づくりと施肥設計
露地栽培では年間3~4回、ハウスを使う場合は年5~7回播種することになります。連作には比較的強いですが、地力の低下は品質低下を引き起こす原因となります。バイテク「バイオエース」などの有機質肥料、完熟堆肥の投入、石灰窒素の施用により地力低下を防ぎます。
施肥量は全量元肥で10a当たり窒素成分量で7kg、ハウスでは5kgを標準とします。
高温期では5割減、低温期では5割増施肥します。
播種
栽培上、収穫作業が最も労力を要するので、収穫時に無理のない播種体系を心がけます。特に高温期の栽培は収穫適期が短くなるので注意が必要です。栽植密度は条間15〜20cm、株間3〜5cmとします。高温期は徒長、節間伸長を抑えるため株間を広めにとります。播種後は発芽、生育が均一に進むように十分な灌水を行います。
病害虫防除
コマツナ栽培で問題となる白さび病は、15度前後の気温と適度な湿気で発生しやすいとされている。高温期のコマツナ栽培では比較的温度が高い時期が多く、気温的には発生が少ない時期ではあるが、適度な湿気がある梅雨・秋雨・台風絡みの時期は、白さび病の発生が問題になることがある。白さび病耐病性品種ではあるが、病気の発生・拡大を防ぐためにも、予防的な薬散や適切な換気を心がけることが重要となる。
また、近年はアブラムシやアザミウマなどによる収穫物の品質低下も多くなっているため、病気と合わせて防除を心がける。
収穫
高温期の収穫遅れには注意します。収穫は子葉と外側の黄化しやすい本葉1〜2枚ほど落とすと店持ちがよくなります。
なお、収穫時に根部を地中に残すと萎黄病、根こぶ病など土壌病害の原因となるので注意が必要です。