チンゲンサイ 「翠勲」
葉色が濃緑で、低温伸長性に優れたおいしいチンゲンサイ
特性
1. 低温伸長性が非常に優れる、大柄のチンゲンサイ。
2. 生育は極早生で、草姿は立性である。葉は大葉・極濃緑で葉枚数は比較的多い。葉柄は長く、首部の締まりが比較的よい。
3. 尻の下膨れがなく、芯も柔らかいため、収穫調整作業を行いやすい。
4. 一般地の10月下旬~1月上旬播種向きで、高温期栽培は生育が早過ぎるため避ける。
5. 晩抽性は比較的よいが、「武帝」などの晩抽品種に比べると劣るため、冬まき春収穫の作型では注意が必要である。
6. 萎黄病、白さび病耐病性である。
7. クセがなく、生食でも利用できるほど、食味が優れる。
適応性
圃場の土質は特に選びませんが、排水性・保水性のバランスに優れた圃場での作付けが重要です。 播種作型は、晩秋まき冬どり栽培が基本となります。 冬まき早春どり栽培も可能ですが、低温期の播種は、生育初期の低温遭遇で花芽が形成され、生育後期の抽だいにつながりやすいです。加温・保温育苗や栽培初期の本圃で温度確保を徹底し、生育後半のトウ立ちを予防しましょう。 秋まき年内どりなどの作型では、年によって温暖な天候が続くと、生育が進み過ぎてしまうことがあります。極端な早まきを避け、適切に換気を行うことで、生育スピードの調整を行いましょう。
播種と育苗と定植
直播、移植栽培のどちらも可能ですが、圃場の効率的利用や低温期の抽苔防止の観点から、移植栽培が適します。
直播栽培の場合、1穴に2~3粒ほど播種し、本葉3~4枚のときに間引きを行ない、1本立ちにした方が、より高品質なものを収穫できます。
移植栽培では、200穴トレーでの播種を基本とし、播種後20~25℃で管理し発芽をそろえます。生育初期の低温感応による花芽形成や生育終盤のトウ立ちを防ぐため、低温期の育苗では、最低気温が13℃を下回らないように管理しましょう。老化苗定植は品質低下につながるため、本葉3枚前後での適期定植が重要です。
株間は15×15cmを標準とし、高温期の栽培では栽植密度をやや広げて栽培しましょう。
病害虫防除
虫食い痕は商品性を著しく低下させます。防虫ネット利用や予防的な薬剤散布を行い、効率的な害虫対策を行いましょう。春や秋の低温多湿時期に問題になりやすい白さび病に対しては耐病性を持っていますが、予防的な薬剤散布や適切な換気を行い、各種病害を発生させないように管理することが最も重要です。
収穫
草丈25~28cm位になり、比較的大柄な品種です。尻部が張ってきたら収穫となります。生理障害や病気に対しては比較的強いですが、適期での収穫を心がけましょう。