カリフラワー 「オーナメントパープル」
鮮やかな紫色の花蕾が収穫できる適応性が高く栽培しやすい早生品種
特性
● 定植後70日程度で収穫できる早生品種。
● 草勢は中程度で、草姿は立性。
● 鮮やかな紫色で盛りのある花蕾が収穫できる。
● 適応性に優れ、秋冬作だけでなく、春どり栽培も可能。
適応性
一般地・暖地の秋冬どり栽培、および春どり栽培、高冷地・冷涼地の初夏どり栽培、および初秋どり栽培に適します。一般地・暖地では、8月播種の11月中旬~12月収穫、1月下旬~2月中旬播種の5月収穫に適します。高冷地・冷涼地では、3月下旬~4月中旬播種の6月下旬~7月収穫、7月上中旬播種の10月中旬~11月上旬収穫に適します。
畑づくりと施肥設計
カリフラワーは湿害に弱い作物なので、排水のよい畑を選ぶとともに、サブソイラーによる耕盤の破壊や高畝栽培など排水対策を積極的に実施します。
総施肥量(元肥と追肥)は、10a当たり成分量で窒素20kg、リン酸25kg、カリ20kg程度を標準としますが、気候や前作、土質、作型によって施肥量を変更する必要があります。草勢は中程度のため、追肥で調整し十分な株サイズが確保できるように努めます。一方、多肥栽培では、ファジーが発生しやすいので注意が必要です。
播種と育苗
通風、日当たりのよい場所を選び、播種後は十分に灌水し発芽まで乾燥させないように管理します。また春まき栽培では、発芽を均一にするため、育苗床の地温(20~25℃)を確保します。セル成型育苗では、徒長を防ぐため夕方には床土の表面が乾く程度に灌水することが重要です。徒長苗は、病虫害の被害、定植後の活着など、生育全般に悪影響を与えるため、育苗床の施肥、灌水管理には注意が必要です。
定植および定植後の管理
セル成型育苗では、活着促進のため順化させた本葉2.5~3.5枚の若苗を定植します。病害虫予防のためにも、あまり株間を詰め過ぎないように注意し、10a当たり約3,600本を標準とします。
定植直後に極端な乾燥が続く場合は、スプリンクラーなどで灌水します。また、除草効果と排水対策も兼ねて、活着後雑草が芽生え始めたころにカルチなどで中耕します。春まきは低温時の定植となるため、草勢の確保を心がけます。
病害虫防除
カリフラワーは登録農薬が少ないので、育苗時からの徹底した予防的防除が大切です。
収穫
花蕾を保護するため、周りの葉を多少付けて収穫し、サイズをそろえて出荷します。低温や日光に当たると、花蕾の発色が豊かになるため縛葉作業は不要です。特に、春どり栽培は花蕾の色むらが起こる可能性があるため、播種期の厳守、草勢確保に努めます。
調理
ゆでても花蕾の色は残り、群青色となります。ゆでる際に食酢を用いると一層鮮やかな赤紫色に変わります。