ニンジン 「ベーター536」
夏まきで幅広く使える中早生ニンジン
特性
1. 根長約18cm、根径約5cm、形状はやや肩張りし尻詰まりがよいです。
2. 播種後100~110日で収穫可能な中早生品種です。
3. 初期生育が早く、発芽後の管理が容易です。
4. 早生性と在圃性のバランスがよく、収穫適期の幅が広いです。
5. 葉は生育旺盛で黒葉枯病や斑点病に強く、寒さによる枯れにも比較的強いです。
6. しみ腐病に強く、栽培しやすいです。
適応性
夏まき秋冬収穫の作型では、播種時期と株間を調整することで、年内から年明けまで収穫が可能です。一般地では8月上旬~下旬播種、暖地では8月上旬~9月上旬播種の作型に適します。土壌や気象条件に左右されにくい品種のため、作場は選びません。冬まきトンネル栽培や春まき露地栽培では、抽苔する可能性が高いため栽培を避けてください。
圃場準備・土づくり
ニンジン栽培では、pH6~6.5になるように酸度矯正をし、完熟した堆肥を10a当たり2~3tを目安に投入します。未熟堆肥や播種直前の堆肥投入は肌荒れや又根の原因になるため注意して下さい。地下水位が高い圃場や排水性が悪い圃場では高畝などの措置をとり、排水性の確保に努めます。「ベーター536」は葉の生育が旺盛なので、葉を大きく作りすぎないように窒素成分量を慣行栽培基準より控えてください。過剰施肥は病気の発生や根の生育遅延につながるので注意してください。
播種
ニンジンは発芽が難関となる作物です。深さ5~10mm程度の溝に、1~2cm間隔で播種を行います。その後、種子が隠れる程度に覆土を行い、しっかりと鎮圧を行います。ニンジンは発芽に多くの水分を必要とするため、播種後は乾燥させないよう灌水をします。播種してから発芽がそろうまで7~10日ほど日数がかかりますので、その間の乾燥は避けるように注意してください。
栽培管理
本葉が2~3枚頃から間引きを開始し、5~6枚までには株間5~8cmになるよう1本立ちさせます。株間は収穫期に合わせて広げることが重要となります。追肥は間引きした後を目安に、生育に応じて施して下さい。ニンジンが肥大し始めてから追肥を行うと、裂根の原因になるので注意して下さい。肩部に日が当たると青首・赤首に着色するため、葉が条間を覆う前に必ず土寄せを行ってください。「ベーター536」は黒葉枯病や斑点病には強いですが、発病した場合は生育に大きな影響を及ぼすため、予防中心の防除を心掛けるようにしてください。
収穫
一般地夏まきで播種後100~110日後で収穫可能となります。根長約18cm、根径約5cmで根先が詰まってきたときが収穫適期となります。裂根などが少なく、収穫適期の幅が広いため、用途に応じて収穫時期をずらすことが可能です。葉は寒さによる枯れに比較的強いため、機械収穫に適しています。甘皮がやや厚めなので、洗果時間は従来品種よりやや長めに行ってください。収穫・洗果後は品質保持のため、速やかに日が当たらない低温条件下に置いてください。