大玉トマト 「ハウスパルト」
単為結果性で食味のよい促成栽培向け大玉トマト
特性
1.萎凋病(F:R-1)、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2a型)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病に抵抗性でネマトーダに耐虫性の赤熟出荷向き単為結果大玉トマト。
2.単為結果性があり、着果が安定しているため、ホルモン処理やマルハナバチを使った受粉作業が軽減できる。
3.草勢は中程度で、栽培の後半までスタミナがある。チャック果、窓あき果、空洞果、すじ腐れ果の発生が少ない。
4.果実は豊円で果色・色まわりに優れ、硬玉で日持ちが非常によい。
5.果実の肉質がよく、糖度が上がりやすいので食味が非常に優れる。
適応性
促成栽培、半促成栽培に最も適しています。
育苗・育苗管理
播種床の地温は25~28℃とし、播種後約14日の本葉1.5枚時に移植を行います。葉と葉が接触するころに苗広げを行い、育苗面積を十分にとります。肥料不足の時は液肥などで追肥を行います。
定植準備
作付け前に圃場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てます。元肥量は圃場により異なりますが、10aあたり成分量で窒素15~20㎏、リン酸20~25㎏、カリ20~25㎏を標準とします。
定植および定植後の管理
定植は第1花ががく割れするころ~開花ごろを基本とし、極端な若苗定植は避けるようにします。灌水は、第1段着果~果実肥大期ごろを目安に行い、初期からスムーズに生育させます。追肥は4段花房開花ごろを目安に草勢を見て行う。
病害虫防除
褐色根腐れ病の汚染圃場では、「フレンドシップ」、「バックアタック」等を用いて接木栽培を行う。また、CMV、TSWV、TYLCVに対する抵抗性はないので、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミ等の防除を徹底する。
栽培上の注意点
・草勢が中程度でスタミナのある品種であるが、着果性がよく、果実の肥大もよいので草勢の維持がポイントとなる。
・極端な若苗定植は異常茎、乱形果の発生を助長するので避ける。
・単為結果性により着果性がよいので、花数が多い場合は草勢に応じて摘果を必要とする。
・一番花に鬼花が発生しやすいので、鬼花になった場合、確実に摘花、摘果を行う。
・抑制栽培など高温期の作型では、頂裂果(でべそ果)の発生を助長するので避ける。
・葉先枯れが少ないため、灰色かび病に比較的強く、葉かび病抵抗性で農薬散布をかなり軽減できるが、疫病、うどんこ病、すすかび病等の防除を怠らないようにする。