ミズナ 「極早生水天」
立性で収穫作業性に優れるミズナ
特性
● 生育は極早生から早生品種。
● 草姿は立性で、葉は緑色でテリがあり、軸色は純白のため見栄えがよい。
● チップバーン(石灰欠乏症)や葉先のカール症状などの生理障害に強い。
● 萎黄病に耐病性がある。
適応性
露地マルチ栽培からハウス栽培まで幅広い作型に適します。土質の適応性は幅広いですが、排水性・保水性のバランスがとれた土壌を選定します。直播・定植栽培のどちらにも適しますが、収穫調整作業や出荷時期を考慮した栽培体系が求められます。
播種
ミズナ栽培において発芽や初期生育をそろえることは非常に重要です。高温期は土壌の水むらによって発芽ぞろいが悪くなることがあるため、播種前・播種後の均一な灌水を心がけましょう。低温期では発芽までに2週間以上かかってしまうことがあり、発芽遅れは収穫時期の遅れや抽だいの一因となるため、不織布などの保温・保湿資材を用いて安定的な発芽・初期生育を促しましょう。
直播での栽植密度は土質、環境、収穫サイズによりますが、条間15cm前後、株間6cm程度が目安となります。ただし、高温時期の過度な密植栽培は、株張りの不足、株元の節間伸長(トリ足)、蒸れによる病害などの発生の原因となるため、高温期にかかる作型では栽植密度を低くして栽培することが重要です。
病害虫防除
ミズナ栽培で問題となる白さび病やべと病は、15℃前後の気温と適度な湿気で発生しやすくなります。低温期のミズナ栽培は在圃期間が長い上、トンネルやハウスの中で蒸れることも多いため、予防的な薬散や適切な換気を心がけることが重要です。また、窒素・水分の過剰は軟弱生育につながり、植物体内への病気侵入の元になりやすいため、適切な施肥設計などを心がけましょう。
萎黄病や立枯病などの土壌病害対策には、土壌消毒や微生物資材・完熟堆肥の適切な利用を行い、病気が発生しにくい圃場環境をつくることが重要です。
また、最近はアザミウマやコナガなどによる収穫物の品質低下も多くなっているため、病気と合わせて予防的防除を心がけましょう。
収穫
冬場の収穫では、収穫遅れによる葉の傷み・黄化や軸のパンク(凍害)に注意が必要です。気温上昇期の収穫では抽だいの恐れがある他、高温期の収穫では石灰欠乏症などの生理障害が発生しやすくなるため、適期収穫を心がけましょう。