日当たりがよく、水たまりにならないような水はけのよい場所を選びます。
苗を植える場所を深く耕し、腐葉土(落ち葉が堆積して腐った土)、市販されている緩効性肥料(カンコウセイヒリョウ:ゆっくり長く効果のある肥料)または有機肥料を入れて、土をよく混ぜます。表面を平らにして、植える場所に印をつけてから、配色などを考えて植えましょう。
植え方は、苗ポットの大きさより少し大きめの穴を掘り、根を傷付けないようにポットから抜き取り、そのまま土を崩さずにポットの土と同じ深さに植えます。
根が回っている場合は、根をほぐしてから植え付けてください。
苗と苗の間隔は20~25cm程度で、一番下の葉が土の表面に出るように植えます。
植え終わったらジョウロなどで十分に水をやります。
植える日は、できるだけ曇りで風の弱い日を選びましょう。
直径12~15cmの鉢には苗を1株、長さ65cmのプランターには苗を3~4株程度植えます。
鉢の種類はプラスチック鉢よりテラコッタのほうが、そして小鉢より大鉢のほうが丈夫に育ち、花が長持ちします。
水はけがよくなるように鉢の一番下に鉢底土(ごろ土などの目の粗い土)を入れ、その上に市販の培養土または、赤玉土(小粒)に腐葉土、緩効性肥料などを混ぜた土を入れます。
土は水やりをするときに、水がこぼれないように、鉢の縁より2~3cm低く入れます。
植え方は庭や花壇に植える場合と同様です。
・肥料は市販の培養土にも含まれていますが、パンジーは秋から春まで約半年間花を楽しめるので、緩効性肥料や根腐れ防止・土壌改良剤を追加して混ぜると、さらによく咲き続けます。
・施す量は肥料の種類によって異なるので、各肥料の使い方説明を参考にしてください。ただし2種類混ぜて使用する場合は、それぞれを単独で使用する量の1/2とし、合わせて「1」になるようにしてください。必要以上に施さないでください。
鉢に植えた場合
鉢土の表面が乾いて白っぽくなってきたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりしてください。
※天気によって異なるので注意してください。
※植物が大きくなると、水を吸う量も増えてきます。
花壇の場合
植えた後にたっぷりと水をやれば、根が徐々に土に張っていきます。11~2月ころまでは、初めに水をたっぷりやっていれば雨水だけで大丈夫なので、あまり水やりの心配はありません。(天気や植物の生育状況によって異なります)
体が大きくなり、花がたくさん付き始めるようになる12月、2月、4月ころに追肥します。
施す量は肥料の種類によって異なるので、各肥料の使い方説明を参考にしてください。
雪が降っても屋外に植えたままで大丈夫ですが、土が凍る場合は、苗の根元に落ち葉やワラを敷いて霜から守ります。
鉢、プランターの場合は屋根の下に運んでおきましょう。
花がら摘みは、次々に花を咲かせるための大切なお手入れです。
咲き終わった花には、タネが付きます。タネを付けると、栄養分とエネルギーをとても消耗します。咲き終わった花を随時摘んでやることで、栄養分を花に集中させることができ、花が咲き続けることができるようになります。
特に2~3月ごろになるとタネを多く付けるようになりますので、たくさん咲き続けるようにするには、こまめに花がら摘みを行います。
いろいろな原因がありますが、一例をご紹介します。
原因① 肥料が多過ぎる
パンジーの根は繊細なので、肥料が多過ぎると根が傷んで養分を吸えなくなったり、枯れてしまうことがあります。
原因② 水のやり過ぎ
花がかわいくて、水をやり過ぎていませんか?土の表面が乾いてから水やりをしてください。
原因③ 病害虫に侵されている
次の病害虫対策を参考に、症状と照らし合わせてください。
その他、さまざまな原因がございますので、わからない事があったら花苗購入先か、こちらからお問い合わせください。
・いちばん付きやすいのはアブラムシ(特に高温時、若い芽に付きやすい)
アブラムシはウイルス病とセットになっていることがありますので、アブラムシを退治することは、ウイルス病の予防も兼ねています。
ウイルス病の症状は、花や葉にしま模様等が出て縮れてきます。症状がひどくなると元気がなくなり、生育が止まってしまいます。
1.植え付け後、花に使用できる市販の殺虫剤を、使用基準を守って散布してください。
2.特に気温が上がり始めると、アブラムシも多く発生してくるので、春先に散布してください。
3.以降はアブラムシの発生状況を見て、散布してください。
4.ウイルス病にかかった株は早めに処分すると同時に、アブラムシの防除を念入りに行います。
・ダニ類も発生することがあります(特に高温、乾燥時に出やすく葉の裏に発生)
1.葉の表面に黄色の小斑点が出たら至急防除してください。
2.殺ダニ剤が有効ですが、薬剤に対する耐性が付くので、種類の異なる殺ダニ剤を交互に用います。
・立ち枯れ病
秋口や春に土の温度が高くなるようなとき、下記1、2のようなところにあるパンジーは立ち枯れ病が発生することがあります。このような環境下に植え付けないことが大切です。
1.不健全な土(植物が育ちにくい土:未熟な有機質がある、肥料のやり過ぎ、水のやり過ぎなど)
2.排水の悪い場所
・うどんこ病(特に春の高温、多湿時に出やすい)
1.風通しをよくし、枯れ葉、終わった花がらは早めに摘み取りましょう。
2.予防には、パンジー・ビオラもしくは花き類に農薬登録のある殺菌剤を散布しておきます。
秋から春の庭を明るく彩るパンジー・ビオラ。
その魅力は、鮮やかで豊富な花色、かれんな花容と甘い香りなど、多く挙げられますが、最大の魅力は、何といっても屋外で長い間咲き続ける点にあります。
その呼び名も、パンセ(物思い)から由来し、チョウが遊びに来る花、「遊蝶花」または「酔蝶花」と呼ばれたり、花が人の顔に似ているところから「人面草」とか、パンジーを見る人のそれぞれの思いを込めた呼び名が付けられています。
パンジーの品種改良の歴史は19世紀の初頭、イギリスのトムソン氏によって開始されました。
その後、世界各地で改良に次ぐ改良が加えられ5種類の野生種間の種間交配も盛んに繰り返された結果、この1世紀半の間に花の大きさ、花色、草姿などが、元の野生種からは想像もつかないほどに改良されてきました。
1960年代に、当社より世界初のF1(一代交配品種)パンジー「マジェスティックジャイアント」を発表して以降、パンジーの改良は飛躍的に進み、今では、パンジー&ビオラは、花の中で最も改良が進んでいるものの一つといえます。
当社も、時代のニーズに合わせて開花時期や色、花形、そして育てやすさなどにこだわりを持ち、多くの品種を開発しています。