ヒョウタン

(「千成ヒョウタン」の場合)
植物体は庭や窓辺で日よけ~観賞用として、果実は容器などの工芸品に利用されています。長さ8cmくらいの小さいヒョウタンが鈴なりにたくさんつきます。

ヒョウタン
  • カテゴリー:flower
  • 育てやすさ:beginner
  • 成長の早さ:fast
  • 背丈:high
  • 葉の量:large
  • 病気:normal
  • 手間:row
  • 虫:off
株間(地植え) 90cm
株間(プランター) 40cm
緑のカーテン用
タネまき時期
4月下旬~5月下旬
開花時期(温暖地) 7月上旬~10月下旬 (観賞時期)
ネットの網目サイズ 10cm程度
その他 ネットへの誘引や結束が必要

ここでは「緑のカーテン」を夏場(8月~9月)に作ることを目的とし、横浜地域(温暖地)での栽培を基準にしています。各地域各植物標準の育て方とは異なる部分がありますので、あくまでも目安としてください。(植物は生き物ですので地域や条件によって差が出ます。)とくに苗を購入される場合は販売時期と合わないことがありますのでご注意ください。 プランターは65×30 ×35cm(土の容量約35リットル)サイズを基準としています。

育て方

栽培環境 日当たり、水はけ、風通しのよいところで栽培します。ウリ科作物の連作はさけます。植えつけの2週間以上前に、土壌の酸度調整とカルシウム補給のために、苦土石灰を1㎡あたり150g程度施しておきます。1週間前までに完熟堆肥約3kgと有機配合肥料100g程度を施します。健康に育てるために、畑は深く耕して、根を大きく張らせます。
タネまき 遅霜の心配がなくなってからなら直まきもできますが、一般にはポット育苗をします。タネは皮がかたく、水分を吸収しにくいので、ペンチなどでタネの一部を傷つけて、2時間ほど水に浸して、吸水させてからタネまきします。
3号(9cm)ポリ鉢にタネを3、4粒まき、1cm程度覆土します。発芽するまで乾かさないようにします。本葉1~2枚のころ1本に間引きします。苗全体に光が十分当たるように管理します。
発芽適温(地温)は25~30℃です。保温マットなどで適温を確保してタネまきします。過湿になると、タネが腐ったり、発芽不良になったりします。水はけのよいタネまき用土を使用します。
植えつけ 本葉4~5枚になったら、株間約90cmで植えつけます。
65cmほどの深型プランターでは1株が目安です。
管理のポイント
(栽培のポイント)
植えつけは地温が15℃以上になってからにします。早く植える場合は、保温キャップやポリマルチなどをして地温を確保します。植えつけ後、つるが伸びてきたら、下のほうの子づる(側枝)はかきとり、ネット・支柱に誘引します。誘引が遅れると、つるが垂れ下がって折れてしまいます。毎日のようにヒモで結束していきます。
ヒョウタンには雄花と雌花があり、夕方の4時ごろに咲きます。雌花は枝の第1~3節につき、ほかの節には雄花のみがつきます。確実に果実をつけるには、雄花をとって、雄しべの先を雌花の柱頭につける人工受粉を行います。自然状態では、夜に活動するムシが受粉します。
ヒョウタンは棚をつくり、果実をつり下げるようにならせます。つるは支柱にそって誘引します。こまめに結束しないと、つるが折れてしまうことがあります。下のほうの子づるは早めにかきとります。親づるが棚まで伸びたら、摘芯して子づるを数本伸ばします。孫づるは葉1枚残して摘芯します。孫づるに果実がつきます。誘引は毎日行い、株全体に光がよく当たるようにします。
施肥 栽培期間が長いので、株のようすを見ながら追肥をします。
水やり 鉢・プランター植えは表面が乾いたら、底から水がでるように水やりをします。
病害虫 うどんこ病は、葉にうどん粉をふりかけたような白いカビが生じます。つるを早めに整理して、日当たりと風通しをよくします。完熟堆肥やバイオエースなどの有機物を積極的に施して、根がよく張る土づくりをします。根が健全に育てば、地上部も健全に育ち、病害にも強くなります。アブラムシは急速に増加するので早期発見に努め、捕殺するなど早期に防除します。
ウリキンウワバ(ガの一種)の幼虫が、ヒョウタンに特異的に集中して、幼果や葉をかじり、果実にアバタをつくります。捕殺のほか、発生期に登録農薬(殺虫剤)の散布や捕殺をします。
収穫・保存・利用 開花後30~45日を目安に収穫します。収穫の時期が遅れてもまったく問題がないので、あわてて未熟なものを収穫しないようにします。未熟だと皮が薄く、水につけておく際に壊れてしまいます。葉やつるが枯れてから収穫すると安全です。完熟果は、果実の表面の毛茸がなくなり、爪先ではじくと高い音が出ます。口部にドリルなどで穴をあけ、水に10日くらいつけ、内部を腐らせた後、針金などでタネをとり出します。よく洗って乾かし、酒器や花器などにします。
開花後、千成ヒョウタンは50日、大ヒョウタンは70日程度で完熟になります。開花日のラベルをつけておくと目安になります。

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