・成虫はウリ類の葉や花を食害する体長7mm程度の黄褐色の甲虫で、盛んに飛び回ります。
さらに越冬した成虫は定植した苗に集まり、子葉や本葉の葉脈を残して網目のように食害し、被害がひどくなると枯死することもあります。
・卵からふ化した幼虫は、体長10mm程度の乳白色で、6~7月ごろに土中で根や茎(つる)を食害します。
ウリハムシは葉の表面の浅く、輪状(円形)に食害します。
①成虫は天気のよい日は活発に飛び回るので、防虫ネット(寒冷紗など)で覆い、飛来を防ぎます。
またビニールフィルムなどでキャップを作り、成虫の飛来を防ぎます。キャップは苗の保温も兼ねるので効果的ですが、内部が高温になり過ぎないよう注意が必要です。
②マルチ栽培では、シルバーマルチがおすすめです。ウリハムシの成虫は銀色の反射光を嫌うので、飛来を防止する効果があります。なお、成虫が株元に産卵する機会を少なくする効果もあるので、幼虫による根や地面に接した部分の果実の食害を避けることができます。またこのシルバーマルチは、アブラムシ類の飛来防止にも有効です。
・成虫防除:「ベニカ水溶剤」など
・幼虫防除:「ダイアジノン粒剤3」など
※農薬を使用する際は、散布する植物や病害虫に登録があることをラベル等で確認してからご使用ください。
被害植物に触れると白い虫が飛び交うため、簡単に他の虫と区別できます。
・主に葉の裏に発生します。直接的な被害と間接的な被害に分けられます。
・直接的な被害として、コナジラミは葉裏に寄生して汁を吸うため、葉緑素が抜け白いかすり状になります。
生育が悪くなり、さらに発生量が多くて被害が進行すると、枯死することもあります。
・間接的な被害としては、コナジラミの排泄物の上にすす病が発生して葉や果実が黒くなることがあります。
発生しやすい環境下では急激に進行するため、あっという間に黒くなります。
また、アブラムシ同様にウイルス病(モザイク病)を媒介することもあります。
①成虫は飛び回るので、黄色粘着テープ(「ビタットトルシー」など)で誘殺します。
②発生した場合は薬剤を散布しますが、成虫と幼虫は退治できてもサナギと卵には効果がないなど、一度の薬剤散布ではなかなか退治しきれません。そのため繰り返し散布して防除します。長期的な防除が大切です。
・長期的な防除:「ベニカ水溶剤」など
・発生時散布:「アーリーセーフ」、「ベニカマイルドスプレー」(いずれも有機JAS規格で使用可能)など
※農薬を使用する際は、散布する植物や病害虫に登録があることをラベル等で確認してからご使用ください。
・幼虫が葉の組織内をジグザグに食害しながら進むため、白いスジ状の食害痕が生じます。ひどい場合には葉が白変し、その後褐変、落葉するため、生育が悪くなります。
①成虫は黄色によく集まるので、黄色粘着テープ(「ビタットトルシー」など)で誘殺します。
②防虫ネットを取り付けます。ネットは白色(1mm目合い)の寒冷紗でよいです。
・「ベニカ水溶剤」など
※農薬を使用する際は、散布する植物や病害虫に登録があることをラベル等で確認してからご使用ください。
・被害を受けた葉には、かすり状の白斑ができ、次第に褐色に変色したりかさぶた状になることがあります。
・果実は幼果期の被害が多く、表皮がかさぶた状になることがあります。
①雄花の花粉を食べにたくさん集まってくるので、朝方のうちに虫ごと摘花してしまうとアザミウマ類(スリップス)の被害軽減に役立ちます。
②防虫ネットを取り付けます。ネットは白色(1mm目合い)の寒冷紗でよいです。
③発生源となる雑草を生やさないようにします。
・アザミウマ類防除:「ベニカ水溶剤」など
・ミナミキイロアザミウマ防除:「ベストガード粒剤」、「ベニカ水溶剤」など
※農薬を使用する際は、散布する植物や病害虫に登録があることをラベル等で確認してからご使用ください。
・下葉の葉縁に小さな褐色の斑点ができます。淡黄色~黄色の不整形の病斑ができ、その葉裏に白色のカビが生え、ひどくなると枯れ込みます。湿度が高い時や長雨で多発します。
①土壌表面を乾燥させることで、病原菌の活動を低下させます。
②茎葉の込み合いに注意し、被害葉は持ち出し処分します。
・「オーソサイド水和剤80」、「ダコニール1000」など
※農薬を使用する際は、散布する植物や病害虫に登録があることをラベル等で確認してからご使用ください。
・主に葉に発生します。葉では、緑色濃淡のモザイク模様が生じたり、新葉がやや黄色になります。また葉面に、小さなしわが発生します。
初めは葉脈が透明になり、その後次第に葉脈と葉脈の間が黄色くなり、さらに葉脈の両側が濃緑になります。
媒介するアブラムシの飛来の防止や、殺虫するために以下のような方法で防除します。
①定植後は寒冷紗や防虫ネットで被覆します。シルバーの防虫ネットは忌避効果が高く有効です。
②畑やプランター近くの雑草は、除草または防除して、アブラムシの生息場所を減らします。
③発病した株は早期に抜き取り、持ち出し処分します(被害の出た葉などをそのまま栽培場所に放置しないこと)。
④軽い接触では伝染しませんが、刃物では伝染率が高いので、刃物の使用は極力避けます。
防除できる農薬がなく、薬剤で回復することはありませんので、器具(刃物など)の使い回しには注意します。
手指、器具(刃物など)の消毒には「レンテミン液剤」が有効です。
・地際部分が茶色に変色します。その病斑は初めは灰緑色、後には灰褐色に変わり、表面がざらざらしてややへこみます。
・葉の被害:葉の縁から病斑がV字状に生じ、褐色が大きくなります。ひどくなると枯れます。
・果実の被害:成熟期ごろに、黒い褐色でややへこんだ病斑を形成します。
・降雨が続いたり、水やりなどが多過ぎたりして過湿状態になると、病勢が早く進み、また傷が深くなって枯れ上がりを早めます。
①苗が小さいうちは水のやり過ぎに注意して、土の表面はなるべく乾かすように管理します。また水やりの際に、水が地際の茎にかからないように注意します。
②露地栽培でもトンネルか雨よけ栽培をすることをおすすめします。また、密植を避けて、適切な肥培管理をします。
③定植時にマルチをして泥はねを防ぐと、病気予防になります。
発病してからの特効的な農薬がないので、予防に重点をおいた薬剤散布を行うことをおすすめします。
梅雨時期からの発生が多いので、特に被害がなくても、6月以降は予防効果が期待できる登録農薬「トップジンM水和剤」「GFワイドヒッター顆粒水和剤」などを定期的(7~10日おき)に散布して予防します。なお、発病初期または生育初期には病斑部(主に茎の表層部を侵すだけなので)に「トップジンMペースト」を塗布するのが効果的で、特に症状が確認できなくても予防散布は大切です。
※農薬を使用する際は、散布する植物や病害虫に登録があることをラベル等で確認してからご使用ください。
その他の病気・成長障害
菌核病、黒かび病、疫病、がんしゅ病、黄化病、陥没病 など...