サンパチェンスの栽培方法 サンパチェンスを育てよう!サンパチェンスの育て方をご紹介します。ご家庭での鉢植えや地植え(花壇植え)でのガーデニングはもちろん、公園の花壇や水辺での水上栽培など、さまざまな用途で活躍します。

サンパチェンスの植え付けについて

日なた・半日陰の場所を選び、早めに植え付けます

サンパチェンスの植え付け時期 植え付け期は4月上旬から7月末、開花期は5月から11月末(温暖地基準)
ポット植えのままだと根詰まりをおこし、その後の生育が悪くなります。根鉢は軽く崩す程度にとどめ、根を傷つけないようにして植え付けてください。
根鉢を軽く崩すイメージ画像
屋外の日当たりのよい場所か、半日陰になるところで育てます。一日中日陰になるところでは花が咲きにくくなります。
サンパチェンスを日当たりの良い場所に置くイメージ画像

サンパチェンスを大きく育てるコツ

大きく育てるためには、しっかりと根を張らせることが大切です。
サンパチェンスは寒さに弱く、生育に適した温度は15~30℃です。温度が低いと苗が寒がり、根の生育が止まってしまいます。特に10℃を下回るとダメージが大きくなります。
4~5月は、最低気温が15℃を下回ることがあるので、根が生育できる温度を保つよう注意が必要です。
鉢植えの場合は、夜、室内に取り込んだり、地植えの場合は、マルチやホットキャップを利用して防寒対策をするとよいでしょう。また、水やりは、根を冷やさないように「くみ置きの水を使う」など水温に気を付けるとよいでしょう。

■地植え(花壇植え)の場合

地植えのサンパチェンスのイメージ画像。株間を60cmあける

植え付ける場所は日なた~半日陰で水持ちと水はけ、風通しのよい場所が好適です。植え付けをする1週間前までに元肥として1㎡当たり腐葉土か完熟堆肥を2~3㎏、草花用の緩効性肥料を70~80gを施し混和しておき、根鉢を軽く崩してポット土の表面が鉢(プランター)の土と同じ高さになるように植え付けます。株間はサンパチェンスが約60cm、サンパティオは約40cm程度とります。

■鉢植えの場合(30cm鉢に1株が目安です)

鉢植えのサンパチェンスのイメージ画像。草花用培養土にサンパチェンスを植え付ける。水があふれないよう、鉢の上端から2~3cmあける。鉢底石を入れる。

「花三昧®」などの市販の草花用培養土、または「赤玉土(小粒)5:腐葉土2:完熟堆肥3の割合で混ぜた土に草花用の緩効性肥料を用土1ℓあたり5g混ぜ合わせた」用土を用いて、根鉢を軽く崩してポット土の表面が鉢(プランター)の土と同じ高さになるように植え付けます。ただし、「花三昧®」や市販の草花用培養土には肥料が含まれていますので、さらに肥料を入れる必要はありません。
サンパチェンスは最初の植え付けは直径15~18cmの鉢に1株植えが目安です。生育が進んで株が鉢を覆うようになったら、直径30~36cmの鉢に植え替えます。サンパティオは直径15~18cmの鉢に植え付けて、そのまま育てます。

※「花三昧®」はサカタのタネのオンラインショップでご購入いただけます。「花三昧®」のご購入はこちら

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サンパチェンスを大きく育てるコツ

鉢のサイズ
いきなり大きな鉢に植えず、最初は直径15~18cmの鉢に植え、ある程度根が回ってきたところ(植え付けから1カ月程度)で直径30~36cmの鉢に植え替えることをおすすめします。(15℃以上で管理)

1.購入後すぐ:15cmのポットに植えつけます。2.植え替え:鉢いっぱいに株が育ったら直径30~36cmの鉢に植え替えます。3.1か月後:植え替えからわずか1か月でどんどん大きくなり、蕾もたくさん付いてきます。4.2か月後:こんもりとした草姿になり次々と花を咲かせて、株もどんどん成長します。
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サンパチェンスの水やりについて

乾いたら水やりが基本!

地植え(花壇植え)
植え付け後2週間は、土の表面が乾いてきたら水やりをします。その後は雨水だけでも育ちますが、真夏に雨の降らない日が続き土の乾き具合が激しい時は随時水やりをします。
サンパチェンスの水やりイメージ画像。葉にも時々水をかけます。株元にしっかり水をかける。

鉢植え
鉢植えは、土の表面が乾いてから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
植え付け直後は鉢土が乾きにくいので、水をやり過ぎにならないようにご注意ください。水をやり過ぎると根腐れを起こして生育不良になります。株がまだ小さいうちは、鉢底から水が出るくらいたっぷりやらないで、湿る程度から成長に応じて徐々に水の量を多くしていくのがポイントです。特に、最初から大きめの鉢に植えた場合は、株が大きくなるまでは水をやり過ぎて過湿にならないように注意してください。

サンパチェンスを大きく育てるコツ

水のやり過ぎに注意
サンパチェンスは水が大好きとはいっても、やり過ぎはよくありません。根が生育するためには酸素が必要です。水をやり過ぎると土の中の酸素が不足して、根が窒息して根腐れを起こしてしまいます。鉢植えでは、鉢土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりします。地植え(花壇植え)では植え付け時に水をやった後は、雨水だけで大丈夫ですが、日照りが続いてしおれるようなときだけ、たっぷりと水やりしてください。
植え付け直後は、鉢土の量に比べて植物体が小さく土が乾きにくいので、水のやり過ぎにならないようにご注意ください。鉢土の表面が湿っているときには、水やりはしないでください。

サンパチェンスの肥料について

定期的に追肥を行います

地植え(花壇植え)
春から秋までの生育期は1カ月に1回程度、草花用の緩効性肥料を適量置き肥します。併せて植え付け2週間後から7~10日に1回程度を目安に、液肥(ネイチャーエイドなど)を水やり代わりに規定倍率に薄めて施します。
サンパチェンスに肥料を与えるイメージ画像

鉢植え
追肥は1カ月に1回程度の割合で、草花用の緩効性肥料を適量根の中心から少し離れたところに施します。併せて植え付け2週間後から7~10日に1回程度を目安に、液肥(ネイチャーエイドなど)を生育状態に合わせ規定倍率に薄めて施すのがおすすめです。

追肥は株の生育状態(葉色が薄くないか、花が安定して開花しているかどうか)を見極めながら、株の生長に応じて栽培初期は少なめ、その後は徐々に多く施すようにします。

サンパチェンスを大きく育てるコツ

肥料を切らさない
株がある程度大きくなってからは、液肥も7~10日に1回施すのがおすすめです。株を健全に保ち、きれいな花が長く楽しめます。

サンパチェンスの花がら・蕾摘み

花がら摘みはこまめに!

咲き終わった花は花茎の根元からつまむようにして、こまめに摘み取ります。
そうすることにより、次々と花が咲いてきます。
サンパチェンスの花がら・蕾摘みイメージ画像

蕾摘み ~花をたくさん咲かせるためのひと工夫~

気温が高くなる6月下旬~8月中旬ごろに蕾摘みを行うと、株がまとまり枝数も増えて見事な花を楽しむことができます。
なお、蕾が固いときは、無理して摘み取らないでください。蕾の付く茎の先端は、サンパチェンスにとって大切な部位なので、傷をつけないようご注意ください。※花が順調に咲いている場合は、蕾摘みをしなくても大丈夫です。

サンパチェンスの蕾摘み(花摘み)イメージ写真
現在咲いている花から小さい蕾までを全て丁寧に摘み取ります(花首を横に倒すと簡単に取れます)。
茎の先端を折らないように注意して行います。
花を全て摘み終わった、葉のみのサンパチェンスのイメージ写真
全て摘み終わったら液肥 (成分の目安 チッ素5:リン酸10:カリ5)を規定倍率に希釈し、たっぷり施します。
花が再び咲き始めたサンパチェンスのイメージ写真
その後も1週間に1回のペースで液肥を施すと、早い場合には摘み取り後、約2週間ごろから花が再び咲き始めます。
株がまとまり枝数も増えた、サンパチェンスの開花イメージ写真
摘み取り後、約1カ月後には見事な開花を楽しめます
(※栽培環境・摘み取り時期によって結果が異なる場合があります)。
蕾(花)摘みを動画でチェック!
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サンパチェンスの病気・害虫対策

環境条件を整え防除に努めましょう

アブラムシ、ハダニやホコリダニに注意します。通風と採光をはかるなど、環境条件を整え防除に努めます。また、薬をかける場合は咲いている花を摘んで、葉の裏までまんべんなく薬がかかるようにすると効果的です。

アブラムシ
  • 葉に複数のアブラムシが付いた写真
  • アブラムシの拡大写真
ベニカXネクストスプレーベニカXネクストスプレー
原因と対策

アブラムシは3~11月のほぼ一年中発生します。他の植物から羽のある成虫が飛来して寄生、増殖します。見つけたらすぐにベニカXネクストスプレー等で防除します。

ホコリダニ
  • ホコリダニの被害で葉がねじれてしまった植物の写真
  • ホコリダニの被害で葉がねじれてしまった花の写真
原因と対策

ホコリダニはハダニと同じような増殖方法で短期間で大量に発生します。また、ハダニより小さく、肉眼で確認することは困難です。被害が広がると葉が光沢を帯び葉がねじれたり巻いたりします。さらに被害が進むと芯止まりになり花が咲かなくなります。対策としてホコリダニは水を嫌うので、水やりの際、根元だけではなく、株全体に水をかけるようにします。

コガネムシ類
  • コガネムシに食い荒らされた植物の写真
  • コガネムシの拡大写真
原因と対策

コガネムシ類は成虫が主に7~9月ごろに葉や花を食害します。見つけたら捕殺します。触ろうとすると、ころっと落ちて死んだふりをした後に再び食害を起こすので、確実に捕殺しましょう。
成虫が卵を産み付けると、幼虫が根を食い荒らしますので、成虫を早めに確実に捕殺します。

立ち枯れ症状
  • しおれてしまった花の写真
  • 立ち枯れしてしまった花の写真
オーソサイド水和剤オーソサイド水和剤
原因と対策

株全体の生育が悪くなり、日中はしおれるようになります。病気が進行すると下葉から黄色くなり、やがて株全体が立ち枯れ症状を起こします。発生したら治療は困難なので、原因の一つである「立枯病」防除のため、オーソサイド80を散布して予防に努めてください。高温多湿で多発しますので株間や株元を蒸れないように保つことも有効です。

ハダニ
  • ハダニの被害を受けた葉の写真
  • ハダニの拡大写真
ベニカXファインスプレーベニカXファインスプレー
バロックフロアブルバロックフロアブル
原因と対策

ハダニは葉の裏に寄生して栄養を吸汁し、葉がヤスリがかかったような小さな白斑が点々とできてかすり状になります。被害が広がると白い傷はどんどん広がり、そのまま放置すると、葉が黄化したり枯れたりします。主に3~10月に発生し、高温になる夏場にピークを迎えます。雌1匹あたり50~100個ほどの卵を産み、10日ほどで成虫になり、さらに交尾をした雌が産む卵からは雌雄両方、交尾をしていない雌が産む卵からは雄のみが生まれるなど、交尾の有無にかかわらず次世代が発生するため短期間で急増します。
見つけたら、ベニカXファインスプレー等で防除します。バロックフロアブルはハダニの発生初期の卵及び幼若虫に対し優れた効果を示します。しかも残効性に優れるためハダニの繁殖を長期間抑制します。

バッタ類
  • バッタの食害を受けた葉の写真
  • 花に乗ったバッタの拡大写真
スミチオン乳剤スミチオン乳剤
原因と対策

バッタは主に5~10月に発生し葉や茎を食害します。見つけたら捕殺するか、スミチオン乳剤等で防除します。

灰色かび病
  • 灰色かび病で白い斑点が出てしまった花の写真
  • 灰色のカビに覆われた花の写真
ベニカXファインスプレーベニカXファインスプレー
原因と対策

茎葉が溶けるように腐り、さらに病気が進行すると灰色のカビに覆われます。花では始め、花弁に水滴がにじんだ様な跡がつき、色のついた花では白い斑点が多数生じます。病気が進行すると花が褐色になり腐ってきて、やがて灰色のカビに覆われます。湿度を好むので水のやり過ぎに注意し、なるべく風通しを良くして栽培します。枯れた部分にも病原菌が残っているので、なるべく取り除きます。 発病初期の斑点を確認したらベニカXファインスプレー等で防除します。

薬剤の使用についての注意事項
薬剤の使用に際しては、必ず商品の説明書をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
適用病害虫名・対象作物名については、メーカーのホームページをご参照ください。または、お問い合わせください。
編集協力:住友化学園芸株式会社
http://www.sc-engei.co.jp/

花育

植物の育ち方を学ぼう!

教材として利用されているサンパチェンスの写真
現在、中学校・小学校では「花育」を積極的に取り入れ、子どもたちが植物にふれあえる場を増やしています。サンパチェンスは、「花育」と「植物の育ち方」両方を学べる教材として向いている植物です。成長が早く、丈夫なので子どもたちでも育てられます。苗から大きく成長し花をつける様子を2~3カ月の間で実感できます。植物の育ち方に自然と興味を持ってもらうことができます。現在、小学校の理科「植物の育て方」の教材として主にホウセンカが使われていますが、サンパチェンスを使った場合にどのようなメリットがあるのかをご紹介いたします。

※「花育」とは花や緑に親しみ・育てる機会を通して、子どもたちにやさしさや美しさを感じる気持ちを育む活動です
(農林水産省ホームページより引用)。

サンパチェンスのメリット1.成長が早く、丈夫なので初心者にも育てやすい。サンパチェンスのメリット2.反応が早いので理科の教材や自由研究にも

サンパチェンスを育てよう!

サンパチェンスは、太陽と水が大好き。 水やりに気を付ければ、誰にでも簡単に育てられます。
生徒と一緒に育ててみてはいかがでしょうか?

理科の教材や自由研究に!

蒸散実験をしよう!反応が早く子どもにわかりやすい

ビニール袋で包まれたサンパチェンスの写真
サンパチェンスにビニール袋をかけます。
ビニール袋の中が蒸散で曇ってきた写真
20分ほどで、水の蒸散を確認できます。
ビニール袋の内側に細かい水滴がついている写真
40分後には、ビニール袋の内側に水滴を確認できます。

花と葉の細胞を観察してみよう!わくわく、ドキドキがいっぱい。300倍前後の光学顕微鏡で観察します。

花弁の観察

プレパラートの上にサンパチェンスの花弁をのせている写真
花弁を上から顕微鏡で観察すると・・・
(透過照明を強めにします)。
顕微鏡でサンパチェンスの花弁の色を拡大している写真
花色によってカラフルな世界が広がります。
サンパチェンスの花弁の断面を顕微鏡で拡大している写真
かみそりで薄く切り横断面を見ると細胞の形や並び方など、興味深い世界を観察できます。
かみそりを使うときは注意して作業しましょう。

葉裏の観察(葉裏の色素細胞は「サンパチェンス ブラッシュピンク」などで観察できます。

葉裏の色素細胞は「ブラッシュピンク」などで観察ができます。

サンパチェンスの葉を斜めに裂いて、薄い表皮を取り出している写真
葉を斜めに引き裂いて葉裏の表皮を取り出します(乾かないように濡らしてください)。
サンパチェンスの色素細胞を顕微鏡で拡大している写真
ジグソーパズルのような色素細胞が印象的です。
サンパチェンスの横断面を顕微鏡で拡大している写真
横断面を見ると細胞が層をなしている姿も観察できます。
サンパチェンスの気孔細胞を顕微鏡で拡大している写真
気孔細胞の観察もできます。数や大きさを測ってみましょう。

また、緑のカーテンと組み合わせて、遮光効果や冷却効果で教室の温度が変化するのを観察することができます。