大きく育てるためには、しっかりと根を張らせることが大切です。
サンパチェンスは寒さに弱く、生育に適した温度は15~30℃です。温度が低いと苗が寒がり、根の生育が止まってしまいます。特に10℃を下回るとダメージが大きくなります。
4~5月は、最低気温が15℃を下回ることがあるので、根が生育できる温度を保つよう注意が必要です。
鉢植えの場合は、夜、室内に取り込んだり、地植えの場合は、マルチやホットキャップを利用して防寒対策をするとよいでしょう。また、水やりは、根を冷やさないように「くみ置きの水を使う」など水温に気を付けるとよいでしょう。
植え付ける場所は日なた~半日陰で水持ちと水はけ、風通しのよい場所が好適です。植え付けをする1週間前までに元肥として1㎡当たり腐葉土か完熟堆肥を2~3㎏、草花用の緩効性肥料を70~80gを施し混和しておき、根鉢を軽く崩してポット土の表面が鉢(プランター)の土と同じ高さになるように植え付けます。株間はサンパチェンスが約60cm、サンパティオは約40cm程度とります。
「花三昧®」などの市販の草花用培養土、または「赤玉土(小粒)5:腐葉土2:完熟堆肥3の割合で混ぜた土に草花用の緩効性肥料を用土1ℓあたり5g混ぜ合わせた」用土を用いて、根鉢を軽く崩してポット土の表面が鉢(プランター)の土と同じ高さになるように植え付けます。ただし、「花三昧®」や市販の草花用培養土には肥料が含まれていますので、さらに肥料を入れる必要はありません。
サンパチェンスは最初の植え付けは直径15~18cmの鉢に1株植えが目安です。生育が進んで株が鉢を覆うようになったら、直径30~36cmの鉢に植え替えます。サンパティオは直径15~18cmの鉢に植え付けて、そのまま育てます。
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鉢のサイズ
いきなり大きな鉢に植えず、最初は直径15~18cmの鉢に植え、ある程度根が回ってきたところ(植え付けから1カ月程度)で直径30~36cmの鉢に植え替えることをおすすめします。(15℃以上で管理)
鉢植え
鉢植えは、土の表面が乾いてから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
植え付け直後は鉢土が乾きにくいので、水をやり過ぎにならないようにご注意ください。水をやり過ぎると根腐れを起こして生育不良になります。株がまだ小さいうちは、鉢底から水が出るくらいたっぷりやらないで、湿る程度から成長に応じて徐々に水の量を多くしていくのがポイントです。特に、最初から大きめの鉢に植えた場合は、株が大きくなるまでは水をやり過ぎて過湿にならないように注意してください。
水のやり過ぎに注意
サンパチェンスは水が大好きとはいっても、やり過ぎはよくありません。根が生育するためには酸素が必要です。水をやり過ぎると土の中の酸素が不足して、根が窒息して根腐れを起こしてしまいます。鉢植えでは、鉢土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりします。地植え(花壇植え)では植え付け時に水をやった後は、雨水だけで大丈夫ですが、日照りが続いてしおれるようなときだけ、たっぷりと水やりしてください。
植え付け直後は、鉢土の量に比べて植物体が小さく土が乾きにくいので、水のやり過ぎにならないようにご注意ください。鉢土の表面が湿っているときには、水やりはしないでください。
鉢植え
追肥は1カ月に1回程度の割合で、草花用の緩効性肥料を適量根の中心から少し離れたところに施します。併せて植え付け2週間後から7~10日に1回程度を目安に、液肥(ネイチャーエイドなど)を生育状態に合わせ規定倍率に薄めて施すのがおすすめです。
追肥は株の生育状態(葉色が薄くないか、花が安定して開花しているかどうか)を見極めながら、株の生長に応じて栽培初期は少なめ、その後は徐々に多く施すようにします。
肥料を切らさない
株がある程度大きくなってからは、液肥も7~10日に1回施すのがおすすめです。株を健全に保ち、きれいな花が長く楽しめます。
気温が高くなる6月下旬~8月中旬ごろに蕾摘みを行うと、株がまとまり枝数も増えて見事な花を楽しむことができます。
なお、蕾が固いときは、無理して摘み取らないでください。蕾の付く茎の先端は、サンパチェンスにとって大切な部位なので、傷をつけないようご注意ください。※花が順調に咲いている場合は、蕾摘みをしなくても大丈夫です。
アブラムシ、ハダニやホコリダニに注意します。通風と採光をはかるなど、環境条件を整え防除に努めます。また、薬をかける場合は咲いている花を摘んで、葉の裏までまんべんなく薬がかかるようにすると効果的です。
アブラムシは3~11月のほぼ一年中発生します。他の植物から羽のある成虫が飛来して寄生、増殖します。見つけたらすぐにベニカXネクストスプレー等で防除します。
ホコリダニはハダニと同じような増殖方法で短期間で大量に発生します。また、ハダニより小さく、肉眼で確認することは困難です。被害が広がると葉が光沢を帯び葉がねじれたり巻いたりします。さらに被害が進むと芯止まりになり花が咲かなくなります。対策としてホコリダニは水を嫌うので、水やりの際、根元だけではなく、株全体に水をかけるようにします。
コガネムシ類は成虫が主に7~9月ごろに葉や花を食害します。見つけたら捕殺します。触ろうとすると、ころっと落ちて死んだふりをした後に再び食害を起こすので、確実に捕殺しましょう。
成虫が卵を産み付けると、幼虫が根を食い荒らしますので、成虫を早めに確実に捕殺します。
株全体の生育が悪くなり、日中はしおれるようになります。病気が進行すると下葉から黄色くなり、やがて株全体が立ち枯れ症状を起こします。発生したら治療は困難なので、原因の一つである「立枯病」防除のため、オーソサイド80を散布して予防に努めてください。高温多湿で多発しますので株間や株元を蒸れないように保つことも有効です。
ハダニは葉の裏に寄生して栄養を吸汁し、葉がヤスリがかかったような小さな白斑が点々とできてかすり状になります。被害が広がると白い傷はどんどん広がり、そのまま放置すると、葉が黄化したり枯れたりします。主に3~10月に発生し、高温になる夏場にピークを迎えます。雌1匹あたり50~100個ほどの卵を産み、10日ほどで成虫になり、さらに交尾をした雌が産む卵からは雌雄両方、交尾をしていない雌が産む卵からは雄のみが生まれるなど、交尾の有無にかかわらず次世代が発生するため短期間で急増します。
見つけたら、ベニカXファインスプレー等で防除します。バロックフロアブルはハダニの発生初期の卵及び幼若虫に対し優れた効果を示します。しかも残効性に優れるためハダニの繁殖を長期間抑制します。
バッタは主に5~10月に発生し葉や茎を食害します。見つけたら捕殺するか、スミチオン乳剤等で防除します。
茎葉が溶けるように腐り、さらに病気が進行すると灰色のカビに覆われます。花では始め、花弁に水滴がにじんだ様な跡がつき、色のついた花では白い斑点が多数生じます。病気が進行すると花が褐色になり腐ってきて、やがて灰色のカビに覆われます。湿度を好むので水のやり過ぎに注意し、なるべく風通しを良くして栽培します。枯れた部分にも病原菌が残っているので、なるべく取り除きます。 発病初期の斑点を確認したらベニカXファインスプレー等で防除します。
薬剤の使用についての注意事項
薬剤の使用に際しては、必ず商品の説明書をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
適用病害虫名・対象作物名については、メーカーのホームページをご参照ください。または、お問い合わせください。
編集協力:住友化学園芸株式会社
http://www.sc-engei.co.jp/
※「花育」とは花や緑に親しみ・育てる機会を通して、子どもたちにやさしさや美しさを感じる気持ちを育む活動です
(農林水産省ホームページより引用)。
サンパチェンスは、太陽と水が大好き。
水やりに気を付ければ、誰にでも簡単に育てられます。
生徒と一緒に育ててみてはいかがでしょうか?
また、緑のカーテンと組み合わせて、遮光効果や冷却効果で教室の温度が変化するのを観察することができます。