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ニュースリリース|2016

2016年12月07日

極硬玉で裂果※1に強い夏秋栽培向け大玉トマト『麗月』の種子を発売
夏秋栽培の課題を解決、収量性、輸送性、食味に優れた革新的な新品種


サカタのタネは、裂果に極めて強く、高温期の着果性に非常に優れた夏秋栽培向け大玉トマトのF1新品種『麗月』(れいげつ)=写真=の種子を、2017年1月から発売します。
 


大玉トマトの夏秋栽培では、高温期に着果した果実は温度が下がり始める秋口(9~10月)にかけて実割れ(放射状裂果)が発生しやすく、同時期に収量と秀品率が低下してしまうことが大きな問題となっています。同品種はこうした生産現場の課題を解決するため「裂果への強さと食味のよさ」を両立させることを目標に開発されました。すでに全国各地で試作を行っており、夏秋栽培の産地では「A品率が100%近くになった」「他品種が裂果し始める9月に入っても裂果せず、後半までしっかりと収穫できる」「味もとてもよい」など、非常に高い評価を得ています。

『麗月』は極硬玉で、果実は果重200~220g程度の豊円型。食味は極めてよく、肉質はコクがあり、糖度と酸度のバランスがとれています。草勢は中程度でスタミナがあるため、栽培後半まで果実の肥大力を維持することができます。従来品種に比べて高温期の着果性に優れ、裂果にも非常に強いので、栽培後半まで安定した収量を確保することができます。また、果実はそろいもよく、かつ単価が出やすいL~Mサイズにそろうため、夏秋栽培の生産者の収益性の改善に大きく貢献できる品種です。なお『麗月』は、当社オリジナルの赤熟もぎり※2の統一青果ブランド名「王様トマト」※3としても出荷できます。

『麗月』の種子の希望小売価格※4は、1,000粒入り袋22,800円(税抜)で、全国の種苗店、JAルートを通じて販売します。3年後の売上目標は2億円です。


■大玉トマト『麗月』の特徴

①    極硬玉で、裂果に極めて強い、夏秋栽培向け大玉トマト
②    梅雨の曇天時期、夏場の高温時期においても着果性に優れ、多収
③    従来品種に比べ、果ぞろいがよく、秀品率が高い
④    草勢は中程度、早生で栽培の後半までスタミナがある。チャック果※5、窓あき果※6、空洞果※7、スジ腐れ果※8の発生が少なく、秀品率が高い
⑤    萎凋病※9(F:R-1.2)、根腐萎凋病※10、ToMV※11(Tm-2a型)、半身萎凋病※12、葉かび病※13、斑点病※14に抵抗性※15でネマトーダ※16耐虫性がある
⑥    食味は、肉質がよく良好。コクがあり糖度と酸度のバランスがとれた品種
⑦    果実は、果重200~220g程度の豊円型で、色まわりがよく、極硬玉で日もち性が極めてよく、輸送性に優れている。裂果の発生が非常に少なく、赤熟収穫も可能


■高い輸送性、果実が軟化しにくい『麗月』

当社の実験結果によると、『麗月』の果実は、同様の作型を持つ他社品種に比べて、より長期間、硬さを維持することが分かっています=右グラフ=。実験に用いたトマトは、岐阜県内の試作先の圃場で栽培方法や収穫日などの条件をそろえ、同じタイミングで収穫された果実です。いずれの果実も保存開始から3日目で硬度は大きく低下しますが、3日目以降の硬度について、『麗月』の果肉が従来品種より高いという結果が得られました。保存温度は9~10月の室温などを想定し25度に設定しました。結果から『麗月』は硬さを維持し、軟化しにくいため、1)より長距離の輸送に耐える、2)店頭での棚持ちがよい-など、輸送性や市場性においてメリットがあることが示唆されました。


■「耐裂果性※17」がもたらすさまざまなメリット

9~10月に収穫される果実は、7月~8月といった夏場の高温時期に着果した果実であり、強日照や高温、乾燥などにより果実の果皮が硬くなる傾向にあります。さらに9月は秋雨の季節でもあり、降雨量が多く夜温も下がり始めると果皮の硬い果実に過剰な水分が入り、裂果が発生しやすくなります。トマトは裂果すると商品価値が低下し、出荷ができなくなるため『麗月』の「耐裂果性」は、 収量性と秀品率の向上に大きく貢献します。また、『麗月』は、多少、収穫が遅れても裂果しにくいため、収穫スケジュールに余裕が持てるなど作業性でのメリットもあります。寒暖の差が大きくなる9、10月は、夏秋トマトがもっともおいしい季節と言う声もあります。『麗月』のもつ「耐裂果性」は同時期の安定供給に貢献できるため、より食味のよいトマトを消費者に提供できるポテンシャルがあります。



【比較画像①】9月中旬の果実の様子
左:他社品種   右:麗月


【比較画像②】圃場での着果性
左:他社品種   右:麗月


■大玉トマトの『麗月』の作型図



 

※1裂果:
収穫期近くになり、果実表面が果実内部の膨圧に耐えきれず、はじき割れることである。裂果には、果梗(かこう)部を中心に同心円状に果実が裂ける同心円裂果、果梗部から放射状に裂ける放射状裂果および果実側面が裂ける側面裂果がある。

※2赤熟もぎり:
トマトの5段階熟度表の4段階(10段階熟度表では8)以降の赤さを基準に、トマトを樹で赤く熟させてから収穫する方法。

※3王様トマト:
当社が開発した肉質がしっかりしたトマト品種を赤熟で収穫した青果ブランド。

※4価格はすべて希望小売価格(税抜)です。価格の自主的な決定を拘束するものではありません。

※5チャック果:
果実の表面にがく周辺部から果頂部にかけてコルク化した細いスジが入る果実。

※6窓あき果:
果実の肥大に伴いコルク化したスジの部分が裂開し、トマトの果実が窓を開けたようにゼリー部が見えるようになった果実。

※7空洞果:
果肉部がゼリー状物質で充満せずに果皮部と胎座部の間に空洞が生じた果実。

※8スジ腐れ果:
果皮部の維管束が壊死(えし)し、黒変や褐変した果実。

※9萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)は根から侵入して導管内を伸展するので、はじめは葉が萎凋、黄化してついには株全体がしおれて枯死する。本病原菌には3つのレースが存在する。

※10根腐萎凋病:
土壌病害で病原菌(糸状菌)が根に寄生し根腐れを起こす。導管内に侵入して導管の褐変を起こすこともある。発病は地温が15℃~20℃のときに激しく、晩秋から春にかけて発生する。慢性的にしおれ、下葉から黄化してやがて枯死する。

※11 ToMV(Tm-2a型):
葉にモザイクが生じるほか、株の萎縮や奇形を引き起こす病害。ウイルスに汚染された種子または土壌から感染する。

※12半身萎凋病:
土壌病害で根の傷口から病原菌(糸状菌)が侵入する。はじめは下葉の一部の片側半分が黄化萎凋し、やがて株全体の半身がしおれて枯れ込む。定植一か月後ころから地上部に病徴が発現し始めて、以後収穫が終わるまで慢性的に発生し続ける。夏秋トマト栽培で発生しやすい。

※13葉かび病:
糸状菌による病害。葉だけに発生する。はじめは葉の表側にボンヤリとしたやや黄色みがかった病斑が発生し、葉の裏側に灰白色のかびが発生する。ひどいと葉の表側にもかびが生じ葉枯れを起こす。多湿条件化で発生し着果不良や果実の肥大不良の原因となる。

※14斑点病:
糸状菌による病害。主に葉に発生する。病斑ははじめ緑褐色の小斑点で、その後拡大し2~3mmの淡褐色~暗褐色の円形となる。病斑の周囲は黄変し病気が進むと病斑の中心部に穴があく。多湿条件下で発生し窒素過多や肥料切れするようなときに発病しやすい。

※15抵抗性・耐病性:
抵抗性とは真性抵抗性ともいい、病害自体におかされない性質をいい、耐病性は圃場抵抗性ともいい、おかされはするがその程度が軽いという性質をいう。

※16 ネマトーダ:
地中に生息する害虫(線虫)で、線形動物に属する動物の一種。植物の根、特に根端を傷めるほか、その傷口が種々の病害を誘発する。

※17 耐裂果性:
果実が硬く、裂果症状が起きづらい性質のこと。
 

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